政治のプライオリティはどこにある?

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2007年のサブライムショックを予測して、ヘッジファンドで5億ドルを稼いだカイル・バス氏によると、日本経済はあと2年で破たんするという。借金1000兆円に対し年間収入は41兆円という末期状態なのに、財務大臣はコロコロと変わり、政治は足の引っ張り合いで機能していない。2年後には国家規模が4分の1に縮小。1ドル200~300円の時代がきて、日本人は裸一貫で輸出業に励むだろうとの予測だ。

不安を煽られる中、27日にはアメリカの信用格付け会社S&Pが、日本の長期国債の格付けを2段階引き下げた。マイクを向けられた菅首相は「そういうことに疎いので」と、失言語録に残りそうなコメント。野党はさっそく揚げ足取りに乗り出した。

少子高齢化、人口減少、経済不況の嵐に揉まれ、沈没しかかっている日本。参院本会議の中継を見ていると、未来に向けての建設的な発言はなく、議員たちは「自分が正しい。お前が悪い」と責任のなすりあいに終始している。どうせ、ねじれ国会。いっそのこと政党なんか撤廃して、各議員同士がリングの上で死闘してくれたほうが、置いてけぼりの国民には溜飲が下がるというものだ。

さらに昨日、与謝野経済財政相には、自民党から「裏切りだ、寝返りだ」と、議員辞職の意思を問う公開質問状が送付された。昨日の友は今日の敵、政党間の恨みつらみなど知ったことではない。筋を通したいなら、いっそ石原幹事長と与謝野氏とで西部劇のように果し合いでもしたらどうか。

プライオリティはどこにある?友人のジャズベーシストから参考になる意見を聞いた。ライブをするのにもう一人ミュージシャンが必要なとき、「性格はいいけど腕がイマイチ」「腕はいいけど性格が悪い」のどちらを雇うかである。
彼の答えは後者の方。聴き手のみならず自分たちが一番に求めているのはクオリティであり、仲良しこよしはプライベートの飲み会ですればいいと言うのだ。

応急手当てが必要な日本も同じこと。政党から誰を選ぶかではなく、直面した危機解決に最も適した人物を、垣根をとっぱらって全国民の中から選出して欲しい。一艘しかない船を取り合っている間に、日本は沈没して海の底に沈んでしまうだろう。

コメント

  1. ハルク伊藤 より:

    政界(今迄も)は、口を開けば揚げ足取りばかり、ただただ見苦しいとしか言いようがありません。
    与野党問わず、選挙の為の政治活動としか思えない、しかもその場凌ぎの各党の動きですから、何時迄たっても良くなる筈がありませんね。
    誰の為の政治なのか、何の為の政治かをじっくりと考え直してもらいたいと思っています。
    政党のあり方、選挙の内容を根本から見直していかない事には、このまま破綻国家へと向かうばかりなのでしょうね。

  2. yuris22 より:

    ハルク伊藤様

    鳩山前首相は名古屋市内での街頭演説で、「こんな党を作ったつもりではなかった」と、民主党の党内対立を嘆いたそうです。身内の恥を国民に向かって訴えるとは、いったいどういう頭の構造をしてるんでしょう。過去の栄光にしがみつき、沈没する船のキャプテンにでもなったつもりでしょうか。
    国民は議員を選ぶ権利はあっても、辞めさせる権利がないのは理不尽です。

  3. marie より:

    「自分が正しい。お前が悪い」
    これではいつまで経ってもいい政治は出来ませんよね。
    これは日常の人間関係にも言えることですよね。
    一度は「自分が正しい。お前が悪い」と言っても後から、
    「お互い様」とか「自分が悪かった」と反省出来るのならまだ救い様があります。
    何事もコミュニケーションなしでは成り立ちませんよね。

  4. yuris22 より:

    marie様

    潔さが無くなったというか、「ごめんなさい」を言えない大人が増えている気がします。自分の非を認めるのは敗北ではなくて、相手の心を開かせる一つの作戦だと思うんですけどね。完璧な人間なんているはずもない。足りない分を補い合いながら、一緒に成長していく社会であってほしいものです。

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