被災地への出発が今夜に迫った。与六は留守番させられるのを察したようで、朝からストーキング度が増している。パソコンに向かいながらふと横を見ると、必ず視線が合うのはなぜ?常に半径2m以内にいて、私の一挙手一投足を見張っている。
あれ?いないと思ったら、階段の手すりに乗って「にゃ、にゃ」と呼ぶ声。外に出たいにゃの要求で、何度も窓へ顔を向ける。
テラスに出してやると、タイルの上でゴロンとお腹を出して、今度はブラッシングの要求。しましま尻尾が鳥の鳴き声に向かって移動していくのを、「お坊ちゃま、まだ終わっておりません」と召使いの私が追いかける。
なんて穏やかなひととき。相変わらず余震は続き、福島の原発は放射物質を撒き散らし、日本は危機に瀕しているのが嘘のように思えてきた。しかし明日になれば石巻の牡鹿半島で、ガレキの山を直視しなくてはならない現実が待っている。
ぼんやりしていると、後ろに置いた段ボール箱から視線がジーッ。心配そうに見上げる顔に「大丈夫、ちゃんと帰ってくるからね」と声をかけた。
コメント
はじめまして。私の勤務先でもボランティアを募集したようで期間は4日間、この分のお給料もでて(うち2日は移動日なのに)ホテルにとまるとか聞きました。私は派遣みたいな立場で仕事をしているので、この募集の話は部外者になっていますが、企業ボランティアってみんなこんな感じですか?お昼がおむすび二個とペットボトルのお茶でこの点についてブヮブゥ文句を言っている人もいるとか。自分たちで用意できるものもあるだろうにと思うのですが。
私は被災地にはいけませんが自分に出来ることをしていきたいです。どうぞ気をつけていってらっしゃいませ。ありがとうございます。
一足違いでしたかぁ~やっと通信環境に戻れて‥郡山盆地と福島盆地は迂回して下さい!白河ICから289へ会津盆地と米沢盆地を経由して上山ICから高速に乗るとよいでしょう。福島に立ち寄りだけで1,500cpm超が5,000人だそうです。牡鹿半島沖に深さ30km、マグニチュード5~6級も集中してきています。こころの凝痼を緩和して差上げられますように…洋上から祈って!
ロイ様
コメントありがとうございます。
会社からお給料を貰ってボランティアできる方たちなんて羨ましい限りです。今回は個人で活動している方々とご一緒しましたが、彼らは震災からずっと仕事を休み、「もうオケラです!」と言いながらも寝ずに頑張っています。
政府の支援が早くいきわたり、被災者たちが自活できるようになるまで、体力も財力も持つとは思えませんが、他にやる人がいないんですよね。
おむすび二個とペットボトルのお茶で文句を言う人は、いったい被災地の何を見ているんでしょうね。
muha様
ご心配下さってありがとうございます。
不思議なことに、私が被災地に行ってる最中は余震がありませんでした。その代わりに神奈川では震度3があったそうで、神様に守られているんだなあと感謝しました。
行きがけの車では一睡もできませんでしたが、疲れも感じずにやれるだけのことはやったと思います。たぶん一生の思い出になるでしょう。