牡鹿半島での炊き出し「おにぎり昼食会」

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真っ青な空と清々しい空気、半袖のTシャツで歩ける日差し。日曜日の東北に初夏がやってきた。

仙台・広瀬通り
朝6時45分に仙台の広瀬通りを出発し、8時半に石巻の小渕浜に到着。割烹民宿めぐろさんの看板娘・ミニチュアダックスのハナちゃんが飛び跳ねてお出迎えしてくれる。キッチンと大広間をお借りしての「住民ふれあい昼食会」。お昼12時からの開催に向けて、休む間もなく料理の準備が始まった。

牡鹿半島の小淵浜
民宿めぐろ
住民ふれあい昼食会

大広間の一角では仮設住宅に暮らす主婦の皆さんが「あんかけ汁」に入れる野菜を調理。そして別テーブルでは540個のお握り作りがスタートした。鮭・焼タラコ・おかかを具材に大きなお握りが手際よく並んでいく。たった半日のアルバイトであるが、彼女たちにはパート代をお支払いしてお手伝してもらうW支援の炊き出しである。ぬくもりのある方言でのお喋りに笑顔の輪。

野菜の下ごしらえ
おにぎり作り
キッチンには鶏のから揚げと茶碗蒸しの制作班。ボランティアとして、東京から夜通し車を走らせてやってきたプロの調理人たちが芳ばしい香りを立てている。洗い物を手伝う主婦の皆さんとすぐに打ち解けて、ここにも笑顔の輪。

キッチン
玄関先でお土産(サプリメントとお菓子)の準備をしていたところ、「ちょっと早いけどいいかね?」とお客さんたちがやってくる。慌てて大広間にテーブルをセッティングして、気付いた時には満席状態になっていた。独りでやってきて仮設住宅で待っている家族にお弁当を持ち帰る方たちもいて、手提げ袋を持ったスタッフたちから「何人前?」の声が飛び交いながら、楽屋裏は大忙しである。

満席の大広間
鳥のから揚げ
サプリメントとパイ
外ではミニチュアダックスのハナちゃんのシャンプーが始まった。アウトドアで1年以上溜まった汚れと垢で、臭くてドロドロ。民宿のご主人もおかみさんも3.11から一日も休まず働き続けているのだから致し方ない。ハナちゃんは人を見れば後ずさりして吠える犬だったが、震災から一年以上経った今では少し落ち着いたようで、誰が撫でても嫌がらない。シャンプーのあとタオルにくるまれて抱っこされてる姿は、番犬というより愛玩犬そのものの姿に戻っていたが、地肌にこびりついた汚れは簡単には取れないという。

ハナちゃん
客足が止んだ後はお料理を詰めた袋を車に積んで、隣の大原地区へ。ここにも仮設住宅があるのだが、昼食会の連絡がうまく行き届いていなかったようで、皆さんの夕食に約立てて頂くことにした。もしかしたらこの地区の主婦たちも雇えたかもしれなかったと、私たちのアナウンスの仕方が中途半端だったことを大いに反省した。

大原地区
後片付けも充分に済まないまま、終了時刻の前だというのに、他のボランティアたちに気遣って早めに解散。民宿の玄関に並んで手を振って下さる人懐っこい笑顔たちに、「ごめんなさい」と頭を下げて西日の中を出発した。

仙台駅で新幹線を待つ間のミニ反省会。「ちっとも楽しくなかった」「何で細かく指示してくれなかったの?」という抗議に対し、「ボランティア活動とは自分の意思で行動するものだ」との反論が飛ぶ。ボランティアの数が増えるほどそれぞれの思惑も増え、一つにまとめるのが困難になる。

家に帰ったらその晩のうちにブログで報告しようと思いながら、身体中が痛くてバタン・グー。疲れが取れないままに3日も経ってしまった。疲れの9割はモヤモヤとした心が原因なのを知りつつ、モヤモヤの根っこは震災によって生じた理不尽な格差にあると思いながら、続きは次回のブログに書くことにしよう。

コメント

  1. yokoyoko より:

    yurus22さん、ほんとにおつかれさまでした。私自身、心の中で祈ることくらいしかできず・・・継続した行動力に感謝いたします。

  2. yuris22 より:

    yokoyoko様

    ありがとうございます。まずは祈ることが、愛を繋ぐためのスタートなのだと思います。
    しかし被災地へ伺うたびに自分がいちばん惨めになってしまうことに、我ながら呆れております。死ぬか生きるかを乗り越えた方々は、本当に逞しい!
    言葉を交わしながら勇気を戴いております。

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