煙霧は都会の慢心へのイエロー信号

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3月上旬に気温が25℃を超えた。1876年の観測開始以来最も早い夏日という特異気象に加えて、東京では視界が10km未満になる煙霧が発生したという。初めて聞く言葉なのでウィキペディアで調べてみると「目に見えないほど小さい乾いたエアロゾル粒子が空気中に浮いていて、視程が妨げられている現象のこと」。大気汚染による煙霧は俗にいうスモッグで、都市部での黄色い空は花粉や黄砂が原因ではなく、地表のほこりが巻き上げられたせいらしい。

この現象をFacebookで知り、逗子はどうだろうとベランダへ出てみた。確かに東京の方角はどんよりした空だが、海の方角は透明感。南風が吹いているので、スモッグがこっちに流されてこないことに安心した。日差しにぬくもったタイルの上でニャンコは嬉しそうにゴロンゴロンと引っくり返り、風に転がる木の葉を追いかけて無邪気に遊んでいる。

東の方向
南の方向
「なんでそんな不便なところに引っ越したの」と東京の友人たちに言われても、今になって思えば逗子の漁港町に住んで良かった。しかしひとつ困ったのは原稿書きである。4月上旬の気候や桜の開花具合を予想して書かなくてはならない部分があるのだが、こんな異常気象では皆目見当がつかない。「うららかな春の日差しに足を誘われて」と書いたところが、その頃になってみれば「汗ばむ陽気と煙霧で外出が厳しい」状況だったら最悪だ。四季折々の自然が日本人の繊細なニュアンスを育んでくれたのに、猛暑の夏と厳寒の冬しかない国になれば、「春暖の候」や「秋涼の候」といった時候の挨拶すら不要になってしまう。

ブログを書いている間に日付が変わり、今日は3月11日。東日本大震災から2年が経った。次は富士山噴火か首都圏直下型地震かと騒がれる中で、最優先とされるのは自然の脅威を予知することではなく、天災にどう対応するかの万全体制を敷くことだと思う。高層マンションのラグジュアリーな暮らしをステイタスと思い、整備されたインフラがなくては生活できない都会人たちに、煙霧はジャブ的な警告を鳴らしたのではないだろうか。

嘲笑されようと私はもっと田舎の人になりたい。空や動物の様子を見て明日の天気を予想した昔の人になりたい。戻れない日本が行きつく先はどんな国なのか、凪いでいるように見えて実は嵐の海を漂流している現状への警告。メガシティ東京の黄色い空はイエロー信号なのだろうと思った。

コメント

  1. 的は逗子の素浪人 より:

    観天望気が利かなくなって10年ぐらい?
    いまや一日に四季がある様に前から感じています。

    砂嵐、
    ニュースを聞いて「ほんとかなぁぁ」と思いました。
    だって、
    「中国に気を利かしたニュース」と思ったのは僕だけではないと思いますが、、、?

  2. yuris22 より:

    的は逗子の素浪人様

    駐車場に車を見に行ったら、細かくて黄色い粒子が膜状になってました。これって黄砂じゃないの?と思いつつ、水をかけたぐらいじゃ落ちないしつこさにイライラ。昨夜の雨で少しはマシになったかな。

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