クローゼット半分の洋服を捨てた

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先週の夏日は夢だったのか、厚手のセーターが恋しくなった土曜日、友人たちと服を買いに行った。とあるインポートファッション商社のファミリーセール。ずっとウィンドウショッピングさえご無沙汰だった私には、数年ぶりに胸が高鳴る服選びである。ウォーキングクローゼットは満杯なのに、どれを着てもピンとこないこの頃。手持ちの服と上手く組み合わせるアイテムを新調しなきゃと思っていた矢先だ。

エレベーターの扉が開くと目の前には色とりどりの宝の山。各ブランドのコーナーを見て歩きながら、自分の変化に気が付いた。ハンガーを掻き分けたり平台に積まれた服を広げたりしなくても、似合いそうなものが一瞬で分かるのである。素材・カッティング・縫製が良くて、私の肌にマッチするカラー。2フロアを1時間半探して、値段にも納得して購入したのは深いパープル系のコートとモノクロのポンチョの2着しかなかった。

つきものが落ちた自分を確信し、翌日は断捨離を決行。衣替えに向けて大量の服を捨てたのである。もう少し痩せれば入るかもしれないスカートは、「運動しろ、このデブ!」。顔に映らなくなった曖昧な色合いの服は、「10歳老けて見えるよ、オバサン」。自分で自分を罵倒しながら服をまるめてゴミ袋に放り込んでいく。

別れるのが最も辛かったのはクローゼットの奥にあるグッチ、ドルガバ、アルマーニ等々の高級ブランド。このスーツは30万円したのに、このワンピースはパーティーで1回しか着ていないのにと、まるで映画「お買いもの中毒な私」のヒロインみたいだ。じゃあ今から着てみる?ダメダメ、大切に保管していた間にサイズは合わなくなり、10年前の服では寄付にもオークションにも出せない。食事すら忘れ朝から丸1日格闘して、45リットルのゴミ袋が8つ積み上がった頃には夜10時を過ぎていた。

明日はゴミ置き場まで4往復だ。朝になって決心が鈍らないよう、ドミニック・ローホーのベストセラー『シンプルに生きる』のファッションの章を読む。
「衣類の分別をし、本当に好きな服だけをとっておきます。さあ、今のあなたではない別人になりましょう。
あなたに似合わない服
着古した服
なぜか分からないけど1回も着ていない服
空しい夢だけに終わった服
買って失敗したと思っているけれどもとってある服
フラストレーションの弾みで衝動買いした服
こういう服は、すべて思い切って処分してしまいましょう。
(中略)
もっているものを思い切って処分するのは、たしかにつらいことです。けれども、ピンとこない服がかかっているのを毎日眺めるよりも、ずっとましなはずです。」
(ドミニック・ローホー『シンプルに生きる』幻冬社より引用)

半分が空になったウォーキングクローゼットに、昨日購入した2着を吊るした。嫌でも目に入る存在感に、どうやって着まわそうかと楽しみが湧いてくる。物を大切にするとは保管することでなく、使い倒すことなんだと分かった断捨離であった。

コメント

  1. marie より:

    「物を大切にするとは保管することでなく、使い倒すこと」
    まさにその通りですね。
    新品なのに着ない服、新品同様なのに着ない服、洗い切れる程古くなっているのに着る服。
    洋服はフォーマル、カジュアル、エレガントのポイントさえおさえれば不要ですね。

    バッグもそんなに要りません。ましてや、今では雑誌の付録で十分です。フォーマル以外は。

  2. yuris22 より:

    marie様

    バッグも捨てましたよ。収納ポケットが無かったり容量の少ないものは、いくら可愛くても殆ど使わないので、ただ持っているという満足だけでした。普段使いできて、かつ何処に持ち歩いても恥ずかしくないものが数点あれば十分ですね。

  3. 的は逗子の素浪人 より:

    Deep Purple
    更なる高みに・・・行かれますか。

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