電車やバスで咳をする人が増えてくると冬の到来を確信する。血圧治療の定期診察に行った主治医からは「湿度が50%を切ったので、部屋では加湿器を付けるように」と言われ、インフルエンザの予防接種も受けた。
主治医は飲み仲間であり、私の年間スケジュールをよく知っている。11月半ばから早々に忘年会が始まって飲んだくれ、年が明けて新年会シーズンが終われば、4月まで怒涛の原稿書きに明け暮れる。これから身体に良くない毎日が続くのに、そのピーク時に血液検査をしようという理由は「検査は取り繕って受けるもんじゃないですからね」。中性脂肪やγ-GTPなど検査結果にどんな数値が表示されるやら、たぶん中高年のオヤジたちに負けないだろう。願わくば2週間前から始めたデトックス・スープの効果に期待したいものである。
今年はシングルで迎える誕生日も1か月後に迫り、カレンダーはクリスマス、お正月に向かってカウントダウン。こんな冬の入り口には必ず思い出す古い曲があり、ネット検索してやっとYoutubeを発見した。アンディ・ウィリアムスが歌った”Another Winter’s Day”、ドビュッシーの『月の光』に歌詞が付いたものだ。”Greatest Love Classics”という1984年のアルバムに入っているのだが、残念ながら廃盤になっている。
どうしてこの曲を知ったかは記憶になくても、歌い出しの美しいメロディ♪Another Winter’s Day♪を冬木立や凍える空を見るたびに何度も口ずさんでしまう。違う冬の日なのに、散歩道では去年と同じ場所に黄色いツワブキの花が咲いた。積もった落ち葉をキシキシと踏む音も去年と同じ。繰り返す季節の中で変わっていくのは私だけなのかなと、人生の後ろを振り向くと懐かしくて切ない気持ちが込み上げてくる。
しかし独りでいるのが好きな私にとって、心のバランスは寂しさ70%ぐらいがちょうど良く、あとの30%は人恋しさ。これが切ない詞を書く原動力になっている。きっと今夜も友人たちとグラスを傾けて陽気に騒ぎ、帰り道にはまた♪Another Winter’s Day♪を口ずさむだろう。歌詞の続きは分からないが、人生の侘びを込めた私なりの日本語詞が付けられそうな気がしている。
コメント
「一人の冬」
「あなたの思いで」
やさしい歌声の、、、
切ないですね。