心の受け皿をザルにすること

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人間は噂話を好む動物だ。「ここだけの話」と言われると何々?と身を乗り出し、相手がヒソヒソ声であるほど聞き漏らさないよう耳ダンボになる。しかし「ここだけの話」は風に舞うタンポポの綿毛みたいなもので、聞いた人が身に付けてまた別の場に持っていき、塵や埃までひっつけて広まっていく伝言ゲームだ。

噂になってることを知らないのは話題の中心人物のみ。「人の口に戸は立てられぬ」(世間の噂や評判は防ぎようがないこと)の諺そのままに、この人は信用できると思って悩みを打ち明けたことが仇になるのである。

実はこの数週間、三角関係の恋愛がらみの件で友人から相談を受け、どう円満に収めたら良いものか悩んでいた。しかく三角が円になることはなく、誰かが弾き飛ばされるか、下手すれば全壊だ。

そこで自分に出した結論は「見ざる聞かざる言わざる」だ。「へぇ、そうなの」と相槌を打っても聞かなかったことにして、その場限りに徹すること。濁った感情をいつまでも胸に溜めておかないよう、心の受け皿をザルにするのである。

それでも後日また相談された時には、頑なに「聞きたくない」なんて遠ざけず、ザルの心で新たな時点からスタートすればいい。誠心誠意その場でお付き合いして、私に話したことで少しでも楽になってくれれば良いのだ。悠久の宇宙の時間に比べたら微々たる人生、きっと成るようになるんだから。

風邪が長引いたり、度々熱が出たり、なんだか体調がすぐれないこの頃。厭世的な気分に陥らないよう、いやな匂いのする人間関係には深入りしないことにした。キャットタワーのてっぺんから下界をウォッチングしている猫のように、良い匂いがしたときだけ尻尾を立てて降りていくことにしよう。他人よりも自分をまず大事にしなくてはと思う、秋の後半戦である。

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コメント

  1. すみれ より:

    朝市

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