悪気はなくても恥ずかしいこと

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肩こりと腰痛が泣きたいほどの限界に達し、温泉に入りに伊豆高原へ行ってきた。立ち寄り湯には友人たちと時々行くのだが、時には地元から離れて小さな旅もしてみたかった。久々に乗った踊り子号。リクライニングシートを後ろに倒した中距離列車は、開放感と共に早春の景色が目に飛び込んでくる。

伊豆高原駅に着き、タクシーに乗る前に駅のトイレに入った。すると隣の個室から幼児の声が聞こえてくる。
「お母さん、もう出ていーい?」
「ちょっと待ってなさい!」
落ち着きのない男の子なのだろう。早親が用を足すのを待ちきれないらしい。そして次に聞こえてきたのは、リズミカルで元気な歌声だった。

♪お母さんのお尻は大きいな
 お母さんのお尻 大きいお尻♪

「こらっ、静かにしなさい!」と怒る声。ますます喜んで続く歌声。ブハッと笑いが噴出した私は、親子に目を合わせるのが申し訳なく、早々にトイレから退散した。

振り返れば唐突な歌に関しては、私も大恥をかいた思い出がある。それは比較的空いている時間の山手線。買ったばかりのワンピースが嬉しい私は、皺にならないよう手すりに掴まって立っていた。するとリュックを背負った男性が私の隣に並び、顔を覗き込んでくる。あら、やだわ、ナンパかしら?

無視してツンとすましていると、その男性はワーイワーイと私の周りをグルグルと回って歌い始めたのだ。
♪熟女 熟女 じゅーくじょっ♪

知的障害者だったのだろう。悪気はないにしても、車両中の全員が一斉に注目。私は顔から火が出そうで、慌てて次の駅で飛び降りた。階段を一目散に駆け上り、トイレに飛び込んで鏡を確かめたのは言うまでもない。

あれれっ、伊豆高原に行った話が横道に逸れてしまった。久しぶりの温泉は最高でした!頑張って仕事を上げたら、次はお花見の一人旅をしようかと熟女は考え中である。

コメント

  1. marie より:

    知的障害者と言えば、去年の9月のまだ残暑がある季節に近場の行楽地(春は桜の名所)に出掛け、休憩所でバッグを置き寛いでいたところ、ワイワイと集団の知的障害者がそばに来て、夫にしきりに話し掛けていた。
    自販機の小銭の出口をいじったりととにかく落ち着かない。
    すると、いきなり私のバッグを掴んだのです。
    もう、ビックリですよ。
    力は弱かったので、なんとか、剥がすように取り返しホッとしました。
    悪気はなかったかもしれませんが、少しショックな出来事でした。

  2. yuris22 より:

    marie様

    それは驚かれたでしょうね。たぶん暑さで喉が渇き、飲み物を買うお金が欲しかったんでしょう。同情するのではなく、同じ人間として教えてあげることが必要かと思います。
    先日乗ったバスで、知的障害者の男性が騒いで他のお客さんに迷惑をかけるトラブルがありました。運転手さんがその男性に対し、きちんと敬語を使って対応しているのを見て、お客さんたちも表情が緩やかになりました。後味が爽やかな1日になりましたよ。

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