実るほど頭をたれる稲穂かな

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新橋発、夜11時を回ってのグリーン車。
座れるかなあと車内に入ると、酔っ払った横柄な男性が「どけ」と言わんばかりに席を先取りする。高級そうなスーツから見てどこかの上場企業のお偉いさんなのだろう。
でもね、会社では管理職でも、電車の中ではただのオヤジ。何をそこまで威張っているのだろうか。

フィットネスクラブのサウナ。
『大声での会話はお控えください』の注意書きを無視して、韓国系の女性が自慢話を叫ぶ。ご主人は某焼肉屋チェーンの社長らしく、税金対策で購入した高級車の値段、デパートの外商から買った指輪の値段・・と、口で大金をばら撒いている。
でもね、家では社長婦人でも、タオル1枚のサウナではただのオバサン。周りのひきつった笑顔に気づかないのだろうか。

『実るほど頭をたれる稲穂かな』
亡くなった祖父がよく口にしていた言葉だ。

稲の穂は実るほど頭が低く下がるものだが、人間も徳が高く、内に充実したものがあるほど謙虚だという意味。太陽や水、土・・の恩恵に授かって育った稲のように、人間もどれだけ周りの恩恵に授かっているだろうかとの戒めのことわざである。

事業を興しては失敗ばかりの祖父だったが、窮地を救ってくれた人たちは一同に『実るほど・・』の人物であったという。
みすぼらしい自分よりも彼らはもっと頭を低く、「商いは持ちつ持たれつですからね」と援助してくれたことに死ぬまで感謝していた。

で、サウナの話の続き。
自慢話から逃げ出して水風呂に浸かっていると、初老の女性が入ってきた。
「今日のサウナは賑やかですわね」とおっとしりた口調で話す。師走の街の話、お天気の話をポツリポツリとしているうちに、彼女の上品な物腰に心がリラックス。
そうだな、もっと大らかにならなくちゃと反省し、再びサウナに戻った。

人間は素っ裸であっても、品格は自ずと見えてくるものだ。
頭を垂れる稲穂に詰まったものは、徳と経験を積んだ「思いやり」なのかもしれない。

コメント

  1. しのぶ より:

    ゆりさん、こんにちは。

    私もそう思います。
    「金持ちが天国に入るのは、らくだが針の穴を通るより難しい」とは良く聞く言葉ですが、友人を見ても、裕福で地位があると周りがチヤホヤしてしまうので、思いやりが育ちにくいように見えます。

    「貧しきものは幸いなり」と聖書にあるらしいですが、普通の人間であれば、苦労や悲しみはおのずから他人への「思いやり」に形を変えていくものなので、ある意味当たっているのかもしれません。

    本当は、裕福で思いやりがあるのが最高だと思います。残念ながら、苦労が毒になる人間も多いですから。

  2. 亀吉 より:

    店でもよくあります。
    偉そうにふんぞり返っている会社の社長でも、隣に座った他社の若いお兄ちゃんから見ればただのおっさん。
    偉くもなんともないんだよね。
    「気付き」が大切です。

  3. yuris22 より:

    しのぶ様

    ルカの福音書にある「ラザロと金持ち」の話は、有名ですね。
    あの世にまで持っていけないお金に貪欲にならずに、生きているうちに
    貧しい者に施しをしなさいという警告です。

    飽食の国ニッポンは残飯の量で世界一。
    その残飯で世界の餓死している人たちが助かると言われていますよね。
    この季節、”Do They Know It’s Christmas?”の歌が身につまされます。

  4. yuris22 より:

    亀吉様

    近所に立ち飲み屋さんがあるんですけどね、狭くて安い店の中で
    やたら自分の地位を吹聴するお客がいます。

    それが悪いわけじゃないけど、コップ酒を前にする話じゃないだ
    ろうと思うのです。
    労働した後の1杯は、金持ちでも貧乏人でも平等。

    エロ話でもしてくれた方が、よっぽど場が明るくなります。

  5. こまちゃん より:

    σ(^ー^;)もよく、亡き岳父に言われた言葉です。
    立派な人ほど物腰が柔らかで丁寧ですよねぇ。
    グリーン車は、早い時間と遅い時間はガラ悪いですね。
    早い時間は「古いお嬢さん」で、遅い時間は酔っぱらいや
    勘違いオヤジです。
    並んでるのに割り込んで来たり。
    自分がそうならないように気をつけたいですw

  6. yuris22 より:

    こまちゃん

    休日のグリーン車は「古いお嬢さん(爆)」の集団が多いですね。
    彼女たちが乗り込んで来た時には即刻違う車両に移動します。
    賑やかなお喋りだけならまだしも、飲み食いの匂いが立ち込めるので・・。

    近・中距離列車では物を食べるなと躾けられた人間としては、あの雰囲気には
    神経質なほど馴染めないのです(^_^;)

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