検索サイトから消えていく名前

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未練は全くないけれど、とうに別れてしまった恋人がどうしているか、ふと考える。Facebookに「お友だちですか?」と名前が出てくれば、何で繋がってるの!?と驚きながらも生きてるんだ~と安心する。しかしそれ以外は検索サイトで探しても古い情報しか見つからず、どんどんヒット数が減っていく。

もう10年になるのかな、赤い糸みたいな恋人を癌で失ってから、独りでいるのが怖すぎて「急ぎの恋」を求めていた時期があった。しかしそんな時こそ寄ってくるのは嘘つき男子。多かったのはバブル期に大儲けした過去の有名人たちだった。見た目が洗練されて、どの高級飲食店でも一目置かれ、女性扱いが手馴れている。しかし目が泳いでイラついているのはバレバレで、見栄だけで生きている平安貴族の残党みたいに見えてしまった。

汚れた世の中から隠居しようと恵比寿から逗子に転居。それでも都内のイベントに出てお酒を飲むと、寄ってくる人に惑わされてしまう。差し出された手を受け、この彼こそ誠実で運命の相手だと思った人は、詐欺師に騙された詐欺師だった。ターゲットにされたことは周りに知られ、自称・婚約者を紹介した方々にとんでもない迷惑をかけてしまった。唾を飛ばして融資話を持ちかける彼の嘘を見抜いて上手に断り、私には何も言わず、ずっと知らんぷりで接して下さった友人たちのおかげで今があると思っている。

全て自己責任。お人好しの私はどんなに騙されても、今の美しい場所にいられるのは何故だろう。しかしセレブ、先生、お嬢様と持ち上げてくれる人たちは勘違いも甚だしく、当の本人は恥ずかしくて居ても立ってもいられない。上下階に及ぶ大きな家は管理費が嵩んで掃除が面倒臭く、断捨離をして1Kのアパートで暮らした方がすっきり気楽になるのは間違いない。独身にこんな部屋数は要らないのだ。

先祖から受け継いだDNAなのかお金が掛からない体質。食事は一日一食で低カロリーなタンパク質と野菜がメイン。洗顔後に何も塗らくて済む肌なので高い化粧品は不要。猫を飼ったせいで外出が減って服飾費も減った。IT網が発達したおかげで殆どの仕事や銀行・役所とのやり取りも自宅でOK。パソコン置き場と食事スペースさえあれば与六を連れて生きていけるのだから、ITの使える離島に家を買って引っ越しても問題ないような気がする。次に迫りくる大災害の前に全てを整理しようかなあ。

戦後の高度成長期以来、2020年にオリンピックが控えている日本。東日本大震災よりずっと以前、太平洋戦争で背負った膨大な負債を返済するために、政府は起死回生の金儲けに向けて全力投球をしている。戦争時の合言葉「欲しがりません、勝つまでは」の質素さは軍国主義が崩壊して終わった。民主主義と個人主義が台頭した結果、アベノミクスが拍車をかけて格差が広がるばかり。「あの人はどうしてるかな」と消息不明な人たちはバンザイして、今ごろさっさと墓石の下にいるのかもしれない。

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