夕べ飲み食いしすぎたのだろうか、明け方から胃の辺りが重苦しい。起き上がろうと薄目を開ければ、お腹の上に与六が寝ていた。昨日から増えた家族、マンチカンの子猫だ。面白い夢でも見ているのか、にんまり笑った表情である。
昨日の午後、連れてきて下さったブリーダーさんがお帰りになる時は、チェストの下に隠れて出てこない。2ヶ月半も育ててくれたパパとママは「元気でね~」と、やんちゃ息子を私に託した。
「 わしはこんなとこにきとうなかった!」
NHK大河ドラマ『天地人』で、喜平次の家臣となるべく、越後上田庄の寺・雲洞庵に預けられた5歳の与六のようである。
2人っきりになり、さあて蜜月の始まりだ。猫じゃらしで誘い出したところを捕まえる。消臭トイレやコーン型の爪とぎ器、ニャンコハウスを設置した2階の寝室に連れて行くと、ネズミのおもちゃで遊ぶこと数分。ジャンプしてお腹がすいたのか、お皿に入れておいたキャットフードを食べ始めた。自分から難なくトイレに行き、初ウンチも披露してくれた。なんて手のかからない子だろう。
しかし飼い主様には近寄らず、すごすごとニャンコハウスに隠れて怯えた目線。これを「借りてきた猫」と言うのだろう。そのままウトウトし始めて、起きない、起きない、日付が変わっても起きない。諦めて私も眠りについたら、明け方になってお腹のうえにいたという次第である。頭を撫でてやれば、顔を寄せてきて女主人の腕枕でまた眠る。
朝ごはんの後は家じゅうの探検が始まって、猛スピードで階段を上り下り。書棚の本をなぎ倒し、パソコンの上に飛び乗り、窓のブラインドにじゃれ付く。自分なりの地図が出来たあとは、私の後ろをひっついて回る。
「この子は甘えん坊なんです」とブリーダーさんが言っていた通り、書斎で仕事をしている時も、名前を呼べば膝に手をかけてくる可愛らしさだ。
さっきまで窓辺で遊んでいたはずが、隣の寝室から「キャッ、キャッ」という鳴き声。ベッドの上から与六が呼んでいる。猫は「ニャー」じゃなかったの? しばらく腕を貸しながら、こんなにも早くなついてしまった与六の寝顔に、今後どうやってお留守番をさせようかと悩む喜平次ママである。
コメント
順調な滑り出しで良かったですね。
今朝の我が家の猫はご飯をくれとまとわりついてきました。
お座りを自分からしたので
「ご飯くださいにゃー」と言うと、
ちいなさ声で「にゃ」
これもしつけで、まあいいか。
ツネ2様
こんなに早くなついてくれるとは予想外でした。
おもちゃも色々取り揃えましたがすぐ飽きて、私にちょっかいを出して遊ぶ方が楽しいらしいです。とは言えお昼寝のたびに付き合っていられないので、自分の居場所を見つけてもらわないと。今日も朝から晩までニャンコに捧げる1日です。
リャブリャブでんにゃ~! かわいい~~!
赤ちゃん言葉になるのはなぜ?
的は逗子の素浪人様
はい、完璧に赤ちゃん語です。
「どちたんでちゅか~、ねんねんちたいの?」
「よろくのウンチ、くちゃい!」
もうメロメロのママです。
すっごく可愛いですね~^^
私は元来、犬派ですが、ノラちゃんの猫親子を保護したことが切っ掛けで、隠された猫の習性にすっかり魅せられてしまったものです。
よく「犬は人につき、猫は家につく」と聞きますが、
ネコちゃんだって愛情を注いでくれる人には、お話だってしてくれる律儀な面ももってますよね。
yuriさんママの愛情で与六ちゃんも、幸せを呼ぶ招き猫になるでしょう!
渡辺孝子様
初めて飼う猫の習性には振り回されておりますが、鳴き方で何を要求しているか分かるようになりました。「遊んで~」はキャッキャッ、「怖いよ~」はミーミー、その他用事(?)の時はニャです。
今は私がパソコンの前にいるのを見届けて、当分どこにもいかないだろうと近くで寝ています。ペットを飼ってよかった。守ってあげる存在ができるって、本当に幸せなことですね。