スピーチに強くなる

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大学時代、人間関係学を専攻していた。
卒論を書くに当たって入ったゼミが、ノンバーバルコミュニケーション(non verbal communication)。表情やジェスチャー、声、服装など、言葉以外のコミュニケーションについて論文解読や実験を繰り返していた。

例えば電車の座席で向かいに座った人と目が合ったとき、どれくらい目をそらさずにいれば優位に立てる?とか、通路で2人が向かい合って話しているとき、どれくらいの間隔を開ければ他人が間を通っていく?といった、果たして何の役に立つのかと思う実験だった。

そんな中でも役に立つものを、昨日参加したビジネスセミナーで仕入れた。アメリカの心理学者アルバート・メラビアンの法則だ。

人が他人に何かメッセージを伝えようとするとき、話の内容(WORDS)、声や話し方(VOICE)、ボディランゲージ(non verbal)がどれくらいの重要度を占めるかという実験をしたところ、WORDSは7%、VOICEは38%、non verbalが55%の割合を占めるという結果が出たそうである。
なるほど大統領が演説をするときに、大袈裟な身振り手振りでアピールをするにはそんな理由があったわけだ。

昨日の講師は、プレゼンテーションやネゴシエーション、セールスなどのコミュニケーションに関する専門家である箱田忠昭氏。38歳のときイブ・サンローランの日本支社長に抜擢されたそうだが、プレゼン能力を買われてのことだったという。

実習を伴った昨日のセミナーでは、視線(アイコンタクト)、手の動き(ジェスチャー)、良い姿勢(リラックス)、顔の表情(ニッコリ)に重点を置いたスピーチをトレーニングした。

中でも難しいのが手の動き。
絶対に手を前に組むな!(後ろもダメ)・頭に手をやるな!という鉄則のもと、言葉を形にするビジュアル・ハンド、腕を上下に動かしてインパクトを与える強調方法など、伝えようとする熱意をボディーランゲージにして表現する。
私はうっかりして最初のうち、手を椅子の背にかけてスピーチしてしまったのだが、聞く側はそれを「緊張しているように見える」と捉えていたのには驚いた。

さらに視線の基本は、ワンセンテンス、ワンパースン。
どんなに聴衆が多くても、一対一で話しているつもりになる。
一文を喋るごとに約5秒ぐらいのタイミングで、次の人、次の人へと視線をジグザグに動かして、アイコンタクトしていくという方法だ。プレゼンではこれが重要な説得技術となるらしい。

新年度が始まるとスピーチの機会も多くなる。
女だてらに大丈夫か?と思う会場であっても、どれくらい自然なスピーチが出来るかがドキドキ半面、楽しみでもある。

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