宿命のサラブレッド

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昨夜は芸能人が集うお寿司屋さんで、弊社の売上高200倍の社長と早めのディナー。
間髪を空けずに大金持ちシリーズは続いていて、素晴らしいサジェスチョンを頂くのと引き換えに、大トロ、ヒラメ、ウニ・・・次々と、お腹に肉が溜まっていく不安もある。
「握って下さい。イクラと・・鯵! あ、ヒモキュウは簀巻きでお願いします。」
キーンと冷えたシャブリの誘惑に、オーダーが増えていく。

折りしも日本テレビが取材に来ていて、顔にはボカシを入れるから私たちを撮らせて欲しいとの申し出。
5月号のBRIOに載った際の徒労感がよみがえる。「頭を動かさずに笑って下さい」でしょうか?
いくらボカシを入れても全国ネットに放映されては、詮索好きから怪しいカップルに見えちゃうんじゃないの?・・で、お断りした。

この社長は、創業60年近くになるオーナー企業の2代目。
異業種交流会だのゴルフだの同業者の会合だの、とかく社外に出ていることが多いと嘆つつつも、厳しい環境と戦ってきた雄姿が横顔に見て取れた。

「うちは去年は売上が良かったものの、毎年綱渡りで来てるよ」
「家賃収入があるから何とか凌いでいるんだ」
「同業者はバタバタ潰れてる」

年商が幾らであろうと経営者の悩みのサイズは同じ。いつも危機感に晒されているし、いつも腹をくくってなければ経営は出来ない。

社長にとって一番大事なものを聞いてみた。グラスを置き、襟を正して彼は答える。
「社員の生活と信頼を守ることです」

お前は会社の跡取りだと言われ育ってきた子供時代から、2代目経営者は宿命のサラブレッド。
膨大な期待を背負って、決められたコースを一生走り続けなくてはならない。
引退のゴールに辿り着けば、次のサラブレッドが3代目を走り出す。

語らずとも通じ合う後継者たち。
同じコースを競うライバルでもありながら、時には手を差し伸べる親友でもある。

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