いつごろからメジャーになったのか、聞くたびに引っかかる言い回しがある。
「ある意味、仕方ないんじゃないですか?」
「それはある意味、理にかなってますね。」
ある会議の席で、話が非常に回りくどい人がいた。
伝達事項を述べるとき、質問や発言をするとき、本題に達するまでの前置きが長い。
もちろん最初に結論は述べているのだが、再びそこに行き着くまでの説明に、抑揚のない低音口調が切れ間なく続くのだ。
聞く側は酸欠状態。しかし途中で遮ろうものなら烈火のごとく怒り出す。
「私は今、発言してるんです!」
質問を受ける段になると、その人がよく使うのは「ある意味」というフレーズ。
最初に聞いたとき、なんて高飛車な物言いかと思った。自分は相手よりも物事を知っているぞと、評論家の前置きに感じたからだ。
ところが観察を深めていくと違った。
「なんとかかんとかで何々なんですが・・・」のクドクドは、話しながら自分の頭を整理している段階。遮れば思考の組み立てが中断するのだから、怒り出すのも納得がいく。
さらに口癖の「ある意味」は、誰かに証明された確信ではなく、自分の解釈に正当性を持たせたい逃げ道。相手に舐められたくないがための、言葉の武装だ。
得てしてプレゼンが苦手な人は、レジュメを音読するだけのパターンが多い。
それは退屈ではあっても、何を喋るかが見えているので、周りは眠くなる程度で済む。
しかし結論への導き作業を、レジュメもなく喋りながら考えるのはどうか?
質問への返答に「ある意味」で切り返すのはどうか?
準備不足のすりかえ。
本人のプライドは満足しても時間だけが延びる会議は、どこに出口があるのか見えないエッシャーのだまし絵のようである。
コメント
変な癖のある話し方って嫌ですよねぇ。
本人は格好良いと思っているようですが、
非常に聞きづらいDEATH。
プレゼンで多いのが棒読み。
書いてある通りの専門用語を並べる。
素人が聞くのがプレゼンの筈。
専門用語と流行言葉は禁止!
うーっむ、言葉その物より、その人物の人柄ですね。
ネガティブな心を持った人の言葉は、
他の人の心に響きませんでしょうね。
どんなに拙い文章、言葉であろうと伝わるときは、
伝わる。その逆もあるし。
もちろん、僕は立場上、会議、プレゼン、PA、
言葉は非常に気を使って選びますけれど。
こまちゃん
>変な癖のある話し方って嫌ですよねぇ。
はい。そればかり気になって内容が頭に入りません。
食事のときにクチャクチャ音を立てるのと同様、
話し方にも自分では気付かない癖が出ますよね。
もちろん、人の振り見て我が振り直せですが・・。
やーさん
ネガティブな心は、言葉の品格の無さや顔つきに表れます。
逆にポジティブな心は、朴訥としていてもハートで伝わる。
その相手に好感を持てるか否かもあるのでしょうね。
まぁ、単純に言えば「はほ」ですね。
自分が話す対象がどの様な方々なのか?
専門家での議論なのか?
素人に如何に理解頂き、決断を頂く場所なのか?
まったく理解していないの話者の態度です。
まず、どの様なレベルの方々に、自分の考え方を理解して頂きたいのか・・・完全に準備不足、その時点でボーナスなし。
管理人様は創作者の立場から、「言葉の大切さ」を十二分にご存知と思います。
ご指導をお願い致します。
たそがれ様
プレゼン能力をアップするには、まず文章を書くトレーニングをすべきでしょう。
推敲したあと、さらに声に出して読んでみると、自分の癖が見えてくるものです。
もちろん本番では原稿は読まない。
頭の中に筋書きが出来ていれば、ポイントの箇条書きだけで充分に喋れるはずです。