いつからか我が家の軒先に女の子が居座っている。
どんな嵐が来ようと負けずに元気。日に日に居場所を広げていく。
僕が玄関を出るたび、待ち構えたように喋りかけてくるその子。
「寝坊? 走らないとバスに遅れるわよ。」
「元気ないなあ。朝ごはん抜きでしょ。」
いつも近くにいてくれて可愛いけど、友達以上は無理。
クラス替えのたびにまた一緒になる、お節介な同級生みたいだ。
あのさ、僕には気になっている女性がいるんだよ。
君とルックスは似てなくもないけど、もっとずっと大人の女さ。
息が止まるくらい綺麗なのに、いつも恥ずかしそうに下を向いてる。
その奥ゆかしさが、男心をそそってセクシーなんだ。
「あの人には毒があるのよ。近寄っちゃダメ。」
軒先の同級生は不安げに忠告するが、僕はあの彼女に魅かれていく。
どうしても触れてみたい欲求が日に日に募っていく。
生暖かい風が吹く夜。赤い満月。
怪しい香りに誘われて、フラフラと彼女の下に立つ。
膝を折り、顔を見上げ、ゆっくりと唇を近づけていく。
そこで途切れた記憶・・・。
どれだけ時が流れたのだろう。
今までどこにいたのだろう。
もしかしたら僕は、竜宮城の夢を見ていたのか。
ぼんやり両目を開けると、軒下から懐かしい声が話しかける。
「あの女は私が枯らした。もう二度とあなたを放さないわ。」
そこには緑の蔓(つる)が巻きつき、がんじがらめになった僕の身体があった。
キャストの説明:
「軒下の同級生」
昼顔(ヒルガオ)。
春から秋まで、日当たりのよい道端や庭先に生える多年生の植物。
蔓(つる)は他のものに巻きつき2mほどになる。
観賞用にされることは殆どない雑草。はびこると中々除去できない。
花言葉は「優しい愛情」。
「毒のある大人の女」
木立朝鮮朝顔(キダチチョウセンアサガオ)。別名エンジェル・トランペット。
夏から秋まで、ラッパ形の大きい花が下向きに咲く。
花の部分に毒素を含む。
食すとせん妄、幻聴、意識喪失、興奮、錯乱などの症状を引き起こす。
花言葉は「偽りの魅力」。
「僕」
あなたの油断。
コメント
研究者でもあった、昭和天皇が
「雑草という草はない」
という名言を残しておられるそうで。
美しいモノは美しい!で宜しいですよねぇ。
毒があったって、中毒を起こすのはコチラの都合だし。
まぁ、花は食べないけど。w
こまちゃん
華岡青洲は朝鮮朝顔から内服全身麻酔薬を作り、日本で最初の乳癌摘出手術をしたそうです。
毒も使う人によりけり。
毒素にやられるのも嫌だけど、
がんじがらめも嫌だなあ、、、、、
どこか「僕」に救いは無いのでしょうか? (笑
やーさん
救いの前に・・。
近寄らなければいいのです(爆)
信じる心を 私に残しておくれ
あやまちは長く 心に残るけれど
風のような愛を 逃してしまうことは
もっともっと長く 私を苦しめる
この情熱が 私をいつわらないなら
私たちはいつか ビアーナへゆこう ♪
1975年頃 長谷川きよし 歌
作詞は誰だったかなあ、、、、、(笑
>作詞は誰だったかなあ、、、、、(笑
>あなたの油断。
並べてみるのも面白いwww
「愛してる」といいたい!
なぜ、人は「恋」「愛」が区別できないのだろう?
私は、やっと気付く事が出来た。
いや 気付かされてしまった。
人生の課題と理性では理解できるが、
なぜ、伴侶を決める時に、彼女と出会える人生では無いのか?
私は、この「神の気まぐれ」を許せない・・・。
I Love you・・・。
誰とは言いませんが・・・
みなさん、痛みを持つ詩人なのですね。
(こまちゃんを除く)