神の海を滑る船

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マーフィーの法則ではないけれど、デジカメを忘れた時に限って最高のシャッターチャンスに出会う。
毎日のように海の表情を見ている私でも、昨日の夕方の相模湾は息を呑む美しさだった。携帯電話のカメラに収めたものの、再生してみれば目に焼きついた残像には到底及ばない。

逗子マリーナからの展望。
江ノ島の向こうには伊豆半島のシルエットが水平線を這っている。
垂れ込めた雲のあいだから光のカーテンが降り注ぎ、海面には光の道。
アビームの風を受けたヨットが、恋人たちのように寄り添いながら帰港を急ぐ。

相模湾

葉山新港からの展望。
夕暮れはさらに深まり、防波堤の釣り人たちがラストチャンスを狙う時刻。
神々しさを増した光のカーテンは、まるで天孫降臨だ。
未知なる世界を目指すかのように、仲間からはぐれた白い帆が横切っていく。

葉山沖
葉山沖2

神のアートは空と海がキャンバス。
明日もう一度見に来ても、決して同じ絵は拝めない。一刻一刻と塗り換わる。
キャンバスの海を滑るヨットは、きっと私たち人間なのだろう。

「あなた方も、昨日と同じあなたではあり得ないのだよ」。
神が創った愛すべき造形物は、いつかは帆をたたむ港に向かい、一刻一刻の旅を続けている。

コメント

  1. muha より:

    Sunset Breeze 燻 Larsen 長楽 (^。^)y-~

  2. 亀吉 より:

    チョット、チョット、なにこれ!?
    絶景を通り越して、神々しいです!
    贅沢な時を過ごしていますね。
    いや、ありがとうございます。

  3. yuris22 より:

    muha様

    自然の絵画を前にすると、心の故郷を訪れた気持ちになります。
    「答えはここにあるよ」と教えてもらいました。

  4. yuris22 より:

    亀吉様

    カメラに残した写真は神様からの宿題。
    この景色を言葉でどう表現すればいいか、物書きのトレーニングになります。

    見て読んで下さる読者にも感謝!

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