太陽が照りつけるアスファルトの道は、熱を反射する鏡のようだ。ちょっと外に出るだけでクラクラしてくる猛暑。この季節になるたび、口ずさんでしまう歌がある。
♪Oh,Loveland 目くるめく夏の午後 誰もが木陰に逃げ込んでた♪
山下達郎の”LOVELAND ISLAND”。80年代にビールのCMで流れていた曲だったと思う。
涼しさを呼び込む「木陰」という言葉だが、なぜか季語ではない。相応する言葉は「木下闇」と「緑陰」。『日本大歳時記』(講談社版)から引用してみると・・
木下闇(このしたやみ)
「夏木立の鬱蒼(うっそう)と茂って昼なお暗いさまに言う。木下闇・下闇・青葉闇とも言う。『万葉集』その他の古歌では、木の晩(このくれ)・木暮(こぐれ)とも言い、木の暮隠り・木の暮茂などの語もあり、木暮る・木暗しと動詞・形容詞にも用いている」
緑陰(りょくいん)
「明るい初夏の日射の中の緑したたる木立の陰を言う。木陰に織り出す木漏れ日の縞が美しい。おそらく大正期以降に立てられた季語で、どこか近代都市生活者の嗜好、感覚に訴えるところがある」
風が吹いて木の葉がさやさや揺れると、足元の緑陰も揺れて形が変わる。気付けば木から木へ、下ばかり見て歩いている自分がいた。目くるめく夏の午後、逃げ込む場所がビルの陰ではない環境にいることにホッとしながら、今は夏の絶頂期「大暑」の真っ只中にいる。
コメント
こんにちは。月夜の昨晩の正午に2台の車の屋根上で2匹の白い猫が1台ずつちょこんとおすわりしてました。フォトをとケータイを向けると揃って屋根から降りて行ってしまいましたが…。与六君にお気付きの点はございませんでしたか?何かミステリアスでした。
muha様
月と白い猫、絵になる風景ですね。うちの与六はお腹を出して、のほほんと平和にしております。今日も無事に過ぎていくことでしょう。