愛媛に住んでいた祖母の家に、遊びに行った小学生の夏休み。
お風呂から上がりパジャマに着替えると、蚊帳を吊ってもらうのが楽しみの一つだった。
布団の上に広げた蚊帳にジャンピング。
サラサラゴワゴワした手触りの中から、吊るすためのわっかを探す。
長押に打った釘に引っ掛けていくと、萌黄色の四角い空間が完成する。
それは短時間だけ存在する遊びの国。
従妹たちと追いかけっこをして、お姫様が囚われる牢屋になったり、逃げ込む秘密基地であったり、闇に飛び出す宇宙船でもあったりした。
やがて隣の布団から、祖母が団扇で扇いでくれる優しい風に守られて眠りにつく。
朝になったら押入れの中に仕舞いこみ、見慣れた畳の景色が戻ってくる。
父の写真を整理していたら、大きく引き伸ばした蚊帳の写真を見つけた。
文庫本の横には、ショートピースとマッチ。灰皿からは細く長い煙が立ち上る。
きっと私が生まれる前に撮ったのだろう。セピア色の写真に鼻をつけてみる。
ナフタリン臭かった蚊帳の匂いが、記憶の中で淡く蘇った。
コメント
懐かしくも、色々考察が必要な物品が写ってます。
まず、ピース(僕はピース研究者です(^o^)丿
アメリカの商業デザイナー、レイモンド・ローウィによる
このデザインになったのは昭和27年(1952年)からです。
それ以後、記念限定版以外は、まったく同じデザインです
箱の横には専売公社→日本たばこ産業→JT とロゴが変化するので、
そこが写ってればもう少し年代が限定できるかも、です。
次に灰皿
中々斬新なデザインのものです。
ちょっと見、エンジンのピストンを灰皿にした、バイク、車マニアが
好んで使っていたものを思い出します。
ただし、良く見ると楕円形!!
ホンダが楕円形ピストンを開発するのは1979年、
NR500,4ストロークで2ストロークの牙城を崩そうとしたんですね。
時代が合いませんね。
多分僕の考えすぎです。(笑
蚊帳の下になってる物体
画面中央右側にある物???? 不思議です。
目のように明いた穴、電動ペットのはしりか??
奥にコードっぽいものが写ってますねえ、パソコンのマウスかも?!
時代が合いませんね。
電気蚊取りの初期バージョンかも知れません。
電気蚊取り研究者のご意見を伺いたいです。
煙が一筋
部屋の中ですが、蚊帳、夏、当然窓は開け放ってるはず、
無風の夜だったんですね。
写真を撮られた父上もかなり気を使って、1本の煙を被写体に
したと推察されます。
大変興味深い、貴重な写真、ありがとうございます。
こんにちわ。
さっき、コメント書いたんですがなんどやっても「文字数が多すぎ」ってエラーです。
そんなに多くなかったのですが、なんでだろう(涙)
承認制か文字数制限ありますか?
やーさん
世界初の電気蚊取り器は1963年です。
よってテントウムシのような怪しい機器は・・、ポータブルプレイヤーという説はどうでしょうか?
ちなみに父はバイクマニアでした。
灰皿の考察はお見事です。
michael様
何度も入力下さったのにごめんなさい。
livedoorブログのコメントは、負荷を減らすために反映が遅くなっているそうですが、承認制ではありません。
文字数制限についても、特に記されてはいないんですよ。
アクセスが集中したときなど、変な反応を示すと言う意見もあります。
これに懲りず、またコメントくださいね。
をぉっ流石Poiさん!
クレーム処理に追われている間に負けたw
σ(^ー^;)もオーバルピストンだと思いました。
タバコを置いている所はクランクシャフトが有るべき所ですよね?
テントウ虫から何やら上に伸びていますから
扇風機ではないでしょうか?
「かや」 なくなってどのくらいでしょうか?
夏の寝支度で必ず、わっかを座敷の四方にかけるのが
なぜか・・・たのしい・・・
あの不思議な空間、香り・・・夏でしたね(キンチョーじゃないよ)。
写真は見事ですね。
皆様のご考察で細部は、解明されましたが
全体の空気感、漂う時間・・・
うゥ・・・ なんともいえない・・・
思わず煙をおってしまうような、吸い込まれそうな時空です。
こまちゃん
クレーム処理・・とは現実を引き連れていらっしゃいましたね(笑)
扇風機!ピンポーン!だと思います。
詩人たそがれ様
この写真を見つけたときは、子供のころの
「蚊帳」の記憶が一気に蘇りました。
寝苦しい夜、
ひんやりとした畳に足を投げ出す感触。
外から聞こえるコオロギの声。
ニッポンの夏ですね!
名探偵(?)たけぞうです。
扇風機ではなく、電気スタンドでしょう。スイッチオンだから上の方が白く飛んでいるのでしょう。
台座からのびた柄の部分が曲がっています。当時の扇風機はわが祖母宅にはまだ存在していて、「強」にして「弱」以下のゆるゆるで回っていますが、羽根の中心が鉄でできていて(顔が映るプロペラ機の真ん中のような銀色のやつ)、かなり頭が重かったはず。つまりこの細さと曲線では支えられないはずです。
そして、これは四国、しかもかさぶらんかさんのご祖母宅から数十キロ圏内に祖母宅があった四国在住経験者がからすると、四国の夏の夜は結構風がなくて蒸し暑いんですよね。紫煙がまっすぐ立っているのもそのせいでしょう。瀬戸の夕凪がずっと続いているかのような寝苦しい夜が続きます。
ああ・・・思い出す。じとっ
たけぞう様
電気スタンド!
本を読むには必要ですものね!
昔の扇風機はおぼろげながら記憶があります。
羽根に顔を近づけて「おおおおお」と声が震える
のを楽しんでました(笑)
首降りに合わせて、一緒に動いておりました。