おばさんとファッション誌

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YOMIURI ONLINEの出版トピックに『50代女性ファッション誌続々』という記事を見つけた。
かつてはおしゃれリーダーだったのに、今や「おばさん」と言われる年代。
しかし子育ても終えて自由な時間ができ、自分のために使える時間を振り向けるニューワールドに飛び出す時期でもある。

『さあ、自分のために何をしよう――作家の阿川佐和子さん、銅版画家の山本容子さんらがそんな問いかけに答える。各界の第一線で活躍する40~50代の女性5人が華やかに登場する「eclat(エクラ)」(集英社)のCMがテレビで流れている。「eclat」はフランス語で「輝き、きらめき、鮮やかさ」を意味する言葉だ。』
((2007年9月3日 読売新聞より抜粋)

しかし創刊号の表紙を見て思う。特集を見て思う。
スレンダーなモデルがポーズを取るファッションを着こなし、有名人で通してきたスーパーウーマンたち(いつも同じ顔ぶれ)の生き方を模倣できる人たちがどれだけいるのかと。
刺激され大枚をはたいて買ったブラウスに、合わせるスカートや靴は持っているのかと。

仕事を片付けて昨日の夕方、お気に入りの稲村ガ崎温泉に行って来た。
脱衣室にはお風呂上りの熟女3人が会話中。どう見ても50歳は越えている主婦たちだ。
中の1人が履こうとしているパンツ(スラックス)に話が集中している。

A 「私ね、おばさんみたいでしょ、似合う服が見つからなくて。あなたはいいわね、何でも似合って」
B 「あら私は顔が子供っぽいから若い服を着られるのよ。これ○○デパートで買ったんだけど、素敵だから色違いも買っちゃった」
C 「あなたって細いだけじゃなくて足も長いのね。うらやましい」
B 「色違いはまだ履いてないのよ。差し上げましょうか?」
C 「高そうなのに悪いわ」
B 「ぜーんぜん。バーゲンで買ったから安いのよ」
A 「あらいいわね、私にも履けるかしら」
B 「大丈夫よ、あなただって細いじゃないの。家にきて試してみて」

細い細いと褒め合いつつも、ヌードを垣間見ると全員のウエストがメタボリック症候群。
注目のパンツは楽チンが取り得のゴムウエストだった。

で、これが50歳代の現実。
ファッション誌通りの生き方はできないけれど、それでも褒められるオンナでいたいと願っている。正直で可愛い人たちだと思う。

昨日の記事『枠を取り払って生きるには 』にも書いたけれど、おばさんだっていいじゃないの、肥ってたっていいじゃないの、バーゲンでゴムウエストのパンツを買ったっていいじゃないの。

要はシワ・たるみ、お腹の脂肪なんて霞むほどの、オーラ溢れる自信に満ち溢れれば良いのだ。50歳代に相応しいファッションはお金をかければいいってものじゃない。
自己満足に強気な自信があれば、周りだって「そうか」と思わざるを得ないんだから。
女は強い。

「そんなこと、スタイルがいい人だから言えるのよ」って言わないで。
コンプレックスのない人なんているはずがない。
でも若さやお金じゃ補えない価値を、きっとシニアの女性たちは持っている。

過剰な夢でなく、地に足のついた女性誌を期待したい。

コメント

  1. 詩人たそがれ より:

    情報過多・一方化・・・
    「ねばらない」という危機感・劣等感のあおり・・・
    これは、エセ宗教・悪徳商法の典型。

    いいじゃァん、20,30の若造じゃないけん
    好きに生きよう。
    (ワッし ジゴロは=ジェームズ・ディーン)

  2. yuris22 より:

    詩人たそがれ様

    私は詩人たそがれ様のルックスを知りません。
    でもたとえジェームズ・ディーンとかけ離れていても、
    驚かないと思います。

    自惚れ鏡を持つことは、その人に自信を持たせます。
    結果、運勢も人生も好転していくと思うのです。

    どんな人にも優越感を持たせる雑誌を希望したいです。

  3. たけぞう より:

    見た目ではなく、中身を磨くこと。齢を重ねて得てきた自信をもつこと。yuriさんのおっしゃる通りですね。パリに住む知人女性曰く「日本人の特に男性は女性を若さで判断するが、フランス人はむしろ歳を経るほど魅力が増すと考える」。ルイ・ヴュトン(仏語発音ではヴィトンではなくヴュトンだそう)も、若い娘がもっていると返って軽く見られるのだそう。
    しかしながら体型の問題は別のように感じます。皺やたるみは“年輪”だと思いますが(むしろ美顔や整形に走る方が不自然)、脂肪は習慣や努力の問題だから。食べ過ぎないとか、運動もするとか。「ゴムウエストだけははかないぞ!」というプライドも必要なのでは。実際見たら百年の恋も冷めちゃうかも。

  4. tsune2 より:

    今あるのが現実なのか、人の見た幻なのか。
    夢なら覚めてほしい。

  5. yuris22 より:

    たけぞう様

    >実際見たら百年の恋も冷めちゃうかも

    いろんな例を見たところ、一度付いてしまった脂肪を無理に落とすと、
    老けて見えるし余計に醜くなることもあるようです。
    だからってもちろん、ゴムウエストで制限なく肥りまくればいいって
    もんじゃないですけどね(笑)
    きついウエストの服で、みみず腫れってのはもっと情けない(爆)

    でもそういう方々の人口が多いのは事実です。
    高級ファッション誌であっても、体型が崩れたモデルやオバサンが
    紙面を飾ってもいいんじゃないかな。
    彼女たちをいかに美しく煌かせるかの腕を見てみたいです。

  6. yuris22 より:

    tsune2様

    勝手な言い分ですが、私は現実になる夢が好きです。
    ちょっとした夢の実現からスタートすれば、人生ってとても楽しい!

  7. WillowRoad より:

    40、50といってもJJ世代の始まりですし、明らかに団塊世代から見たら元現代っ子の年代です。男性誌の方がいち早くLEON,Men’sEX、ゲーテなど日本にしては珍しく女性メディアに先行して派手系中年ライフスタイルを提示してしまったので同年代向け女性誌も出てきて当然という気がします。ただし、この雑誌は成功しない予感がします。決してこういうゾーンがマーケティング的にないとは思いませんが50歳のリアリティとあまりにかけ離れていると思います。

  8. yuris22 より:

    WillowRoad様

    昔のアンノン族をターゲットにした雑誌だそうですが、彼女たちが
    ファッションに対して同じ探究心を持ち続けているのかどうか・・。
    30年も経てば、価値観は変わります。

    広告収入ばかりを期待した雑誌のように感じますね。

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