愛しのケムンパス

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たいていの動物は好きだけれど、生理的にダメなのは長くてクネクネした生き物だ。
蛇、ミミズ、ゲジゲジ、ムカデは当然のこと、釣り餌のイソメもトイレ掃除に使うようなビニール手袋なくしては摘めない。

プランターの花を並べた窓辺。リビングの床を拭いていたら、とんでもないものを発見した。ヒェーッ!!!と叫び声をあげて後ろに飛びのく。
「ケムンパスでやんす」
黒いボディにピンピンと長い毛の生えた虫が、身体をくねらせながら移動しているのだ。

ケムンパス

ティッシュで摘もうか。ダメ、絶対に触れない。
BBQで使う団扇でパタパタしてみた。ダメ、暴風に耐えて床にへばり付いている。
ちりとりを近づけて、おいでおいでしてみる。ダメ、回れ右してほふく前進してる。
ホウキでちりとりに乗せてしまおう。ダメ、ホウキの毛にもぐって離れない。

落とされまいと必死にしがみ付いている彼をしげしげ眺めた。
小さな赤い目が2つ、「殺さないで」と哀願してるように見える。
このまま飼っていたら可憐な蝶々になるのかな。それとも毒々しい蛾になるのかな。

テラスに届いた樹木の葉にホウキを擦り付け、そうっと彼を移動させた。
幼虫が蛹になって羽化するまで、命を全うしてね。飛び立ったら挨拶しにきてね。

ちょっとだけ可愛く思えたケムンパスに、一度きりの夏が近づいてくる。

コメント

  1. 素浪人 より:

    >「ケムンパスでやんす」 わお~ 心に響くでやんす。
    割り箸やBBQの火バサミでつかめばいいかも?でもむぎゅとやると・・・! 力加減が要りますね。
    管理様に会えた「愛しのケムンパス」が無事に命を全うする事をお祈りいたす。

  2. yuris22 より:

    素浪人様

    割り箸でつかんだとして、身体をくねらせてる姿を想像するだけでも
    冷や汗が出ます。

    長くて毛があるのは最悪。
    学生時代、天井から落ちてきたゲジゲジが背中に入ったことがあるの
    ですが、ザワザワとした感触は今でも忘れていません。

  3. 波に乗るさかな より:

    去年の夏のこと。
    短パンのひざ上の辺りにちくちくーっとした感触。何かに刺されたと咄嗟に思ったので、すぐ短パンを脱いだ。出てきたのは小さいムカデ。冷や汗タラリでした。家の中だっからいいものの、外だったらどうやって払いのければいいのか・・ましてや女性だったら・・

  4. yuris22 より:

    波に乗るさかな様

    ムカデはダメです!ゲジゲジよりもダメです!
    掃除機で吸い取ろうとしたら、こちらに向ってきたことがありました。
    しばらく記憶がありませんでしたよ(;_;)

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