だんだんと報道時間が少なくなっていく秋葉原通り魔殺人事件。
新たな事実の発掘に事欠いたTV各局で、今日は怒りをぶちまける医師の涙や有識者のコメントがそこかしこに流れていた。
「救助している様子を携帯で撮りながら、通行人たちは笑って電話していた」
「助けるよりカメラ。海外メディアでは日本人の傍観的な様子を異常と捉えている」
そのとき現場に居合わせた通行人たちが、携帯カメラやデジカメで被害者たちを撮っていたことへの批判である。
当日ニュースが流れた直後から、その場に居るはずもないマスコミ関係者たちがどこで得た画像なのか疑問に思ったし、アップロードした輩を許せない胸の内をここの記事でもぶちまけた。
同じ疑問は高まっているようで、今日のアクセス解析では「秋葉原 携帯 カメラ」といったキーワード検索がとても多い。
今ごろやっぱり・・と思いながら、今夜(もう昨日になるか)のTBS・ニュース23での白々しい数分間には何様だろう!と限界を超えた。
きっとこれまでの過程は以下のようだっただろう。
マスコミ「どんどん映像がアップされています。すぐにニュースに使いましょう!」
一般人「すげーよ! 俺が撮った写メが出てるよ!」
マスコミ「もっとサイトの情報を集めろ! あっ、犯人の掲示板も見つかったって!?」
てめーら、ふざけんなよ! 品格など関係なしに襟首をつかんで罵りたくなる。
惨劇を笑って撮った素人カメラマンの写真を、わざわざ名前入りのスクープで採用したのはどこの誰なのか。
しかも局にとっては視聴率稼ぎの「恩人」であろう彼らを、今度は人非人と扱う偽善者は誰なのか。
今の日本とマスコミは自ら喰いしゃぶり、自ら腐らせた身体を、自ら治そうとしている。
「政治」を忘れた「政局」争いに国民の税金を費やしている与野党代議士たちしかり、「庁舎を全面禁煙にするな」と言った職員に対し「嫌なら他の職を探せ」と言った某市長しかり、キックバックの居酒屋タクシー問題しかり、がん細胞はすでに身体よりも大きくなっていると思える。
本当に泣いているのは誰なのか。
本当に無くすべき悪は何なのか。
報道が大事件の余韻探しをする前に、制作サイドはもっと心豊かになる番組、ポリシーを掲げ持った番組作りをしてよと願いたい。さもなければ嘘と癒着だらけの地上波なんて、賢い視聴者たちはいずれ愛想をつかしていくだろう。
心のない作り物には、お人よしの私たちさえもう騙されない。
コメント
>今の日本とマスコミは自ら喰いしゃぶり、自ら腐らせた身体を、自ら治そうとしている。
治そうとしているようには思えないです。
「他人のせい」にしていると思います。
それを正そうとすると、足を引っ張られ失脚ってのも情けない。
でも中村天風さん曰く「進化し向上し続けるのが人間」だから
踏ん張り続けなきゃ!それぞれが自分の役割を果たせば何とかなるさ!
こまちゃん
無差別殺人の犯人も「会社のせい 親のせい 社会のせい」と言ってたとか。
ひねたコドモです。
責任転嫁は楽なことかもしれないけれど、正常な神経を持っている人間なら
後味が悪いはず。
なんだか昔の青春ドラマが懐かしくなります。
私も品格関係なしにまわし蹴りですね。
しのぶ様
まわし蹴りっ、ありがとう!
感性の鈍くなった心たちに「目を覚ませ!」の蹴りを入れたい気分です。
>本当に泣いているのは誰なのか。
>本当に無くすべき悪は何なのか。
これは最も「重要な問いかけ」と考えます。
今回の事件のみならず「責任転嫁」が「なぜ」増えたのか?全国民が考え、行動(身近には選挙に行く)した方がいいでしょう。
いま起きている種々の事は全て「自分の事」と自覚すべきではないでしょうか。
私も毎日の彼の報道に違和感を感じている1人です。
25歳にもなった彼の両親や祖母が出てきてコメントをし、それが報道される・・・
また、彼の生い立ちや現状がどの番組でもこぞって報道する・・・・
ぶっちゃけ、彼が起こした事件のその事実だけで良いと思う。この行動がどれだけの人が悲しみ、苦しんでいるのか。
加害者心理も大切にすることは、時と場合による。
小さなコロから『性善説』よりな教育を受けてきたことが原因なのかなと思うときもある。
今の世の中で強くたくましく自分らしく生きていくためには『性悪説』的な思想も持って生活するべきだと私は思います。
全ての事件において、加害者の生い立ちや現状から、当時の心理状況とか分析していたらきりがな・・・・
この事件の直後札幌で58歳のオッサンがセブンに包丁持って押し入った。
「オレもやってみよぉと思った」って供述してるらしい。
報道することで、他に与える影響を大人はドコまで考えているのかなと思うと恐ろしくなります。
素浪人様
「せちがらい世の中になったね~」と老人たちが呟く。
親身になって人を思う老人達こそ投票率の高い年代なのに、彼らの怒りを
買うような医療制度を政府が作る。
他人にしかけたことは必ず自分に返ってきます。
自分だけ幸せになるなんてありえないと思っています。
★☆AISA☆★様
事件が起こると、様々なジャンルの評論家が登場して憶測を述べます。
事件の解明がなされていないうちから犯人の心理分析をしたり、類似事件との
比較をしたり、評論家だけで足りなくなると犯人の家族・親戚縁者・学校関係
者たちを引っ張り出してくる・・。
パターン化された報道には下劣さと陳腐さを感じます。
視聴者に事実を伝えるのが報道のあるべき姿だと思っていたのに・・。