言葉を使えない政治家たち

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兵庫県知事が、東京一極集中をめぐって「関東大震災が起これば、相当ダメージを受けますから、これはチャンスなんですね。」と述べた一件。兵庫県庁には数百本の抗議電話やメールが殺到し、阪神大震災の被害者の会なども非難の声明を出したという。

当初は「何で謝らなければいけないのか」と強気だった知事も、「『チャンス』という言葉が誤解を与えたのなら十分に反省し、おわびしたい」と謝罪しているというが、言葉の持つ影響力にさぞや驚いたことだろう。

英語で”Chance”は好機(好ましい偶然や公算)を言い、”Accident”(不測の出来事)の対極にある。野球で言うなら得点のチャンスや併殺のチャンスなど、勝利を手にするイメージが強い。
これに準えると兵庫県知事は、東京チームを襲った関東大震災という不可抗力な失点に乗じて、関西チームが優勝をもぎ取ろう!という小ずるい戦略を立てている監督のように見えるのだ。

東京都知事が「他人の不幸をチャンスとする表現は日本人の感性になじまない」と批判したのは、言葉を大切にする文筆家としての目線もあるだろう。
物書きが納得のいく文章を残すには、単語はもちろん「てにをは」を選ぶにも散々悩み、一年後に道を歩いている時ふと、果たしてあの文章で良かったかと立ち止まる。発したら最後、二度と盆に戻らない言葉だからこそ神経を使うのだ。

更に今日は「みぞうゆう?ふしゅう??…麻生さんは漢字苦手?」という読売新聞の記事。
「12日午後、日中関連イベントであいさつした首相は、「これだけ『はんざつ』に両首脳が往来したのは例がない」「(四川大地震は)『みぞうゆう』の自然災害」などと語った。手元に用意した原稿にはそれぞれ「頻繁(ひんぱん)」「未曽有(みぞう)」と書かれており、誤読だったようだ。」
(2008年11月13日10時10分 YOMIURI ONLINEより抜粋)

「踏襲(とうしゅう)」を「ふしゅう」と読む間違いも、国会で幾度となく繰り返しているらしい。指摘した記者団に対して「それは単なる読み間違い、もしくは勘違い。はい」と答える厚顔無恥には呆れるばかりだ。

政治家に「作家になれ」とは言わない。
しかし国民や県民の共感を得るには言葉の選択は最重要であり、ポロッと出た一言で自分の首が飛ぶ危険もある。ましてや漢字もろくに読めない日本国首相を、勉学に励む子供たちはどう捉えるだろう?

日本は人情に厚い国。
間違えたら「ごめんなさい」の一言。人を突き落とすよりも救い上げる手を応援する。

コメント

  1. 風小僧 より:

    私はサラリーマン時代に品質管理部に席を置いた事があります。係長と言う役職でした。
    日々「クレーム報告書」を書いていた事があります。
    製品に問題があって、客先へのお詫びと、問題の原因追及と問題の今後の対策をまとめ、客先へ提出する書類でした。文字として残るものであり、内容の記載1つ1つに頭を悩ましながら作成していたのを思い出します。
    その場限りの言葉のように、後で撤回する事もできません。また、問題によっては賠償も伴うため、もうこんな仕事やりたくないと思っていたくらいです。

    簡単に言い直しがきくのは政治家だから?
    自分が行ったことへの責任は?

    そう言う私も文章は苦手ですが!

  2. 素浪人 より:

    11月13日 NHK クローズアップ現代「演歌の復活」
    都倉俊一がゲスト。
    そこで、『いま、「日本語の美しさ」を伝えるプロの作詞家、作曲家そして歌い手が求められているの事が一つの理由だろう』。
    当然、阿久悠さんの話もありました。「青春のたまり場」と言う曲、亡くなる1年前の作詞で女性歌手(名前失念、失礼!)が2年間歌い続けているそうです。
    恥ずかしながら、その詩を聞いて、こっそり涙しました。

    「言葉一つで、人は動く」と思います。
    それだけ「想い、重い」と言う事ですね。

  3. marie より:

    「震災はチャンス」なんてなんというひどい事を!!
    と、全国民が思ったことでしょうね。
    思っても口にするな!と言いたいです。
    過去にあった政治家の「女性は子供を産む機械」あれもひどかったですね!
    本当に言葉の影響力は大きいです。
    言霊と言う言葉ってありますよね。悪い言葉を口にすれば、悪い事が起きる。良い言葉を言えば良い事が起きる。
    だからこそ、「100%ポジィティブ」な言葉を使い、
    前向きに生きて行きたいですね。
    嫌な事も前向きに考えれば、驚く程気持ちが楽になるんですよね(^_^)

  4. T・O より:

    兵庫県知事に限らず政治家の間で、普段どんな会話が交わさせているのか? 普段表には出さなくても、人の 不幸を利益に結びつける発想も少なからずあるってことでしょうか。

  5. yuris22 より:

    風小僧様

    友人が某コンビニのお客様相談室に勤めています。
    小さなブースに座って、電話で毎日クレームに対応する日々。
    この時とばかり、それはもう酷い言葉を浴びせかけるお客も多いそうです。それに対して冷静沈着に答えなくてはならない・・。

    発する方も受けるほうも後で撤回できない言葉。
    いつも身体の不調を訴えている彼が気の毒でなりません。

  6. yuris22 より:

    素浪人様

    私は子供の歌を書いているのでまだ生き延びているのですが、流行歌を書く作詞家は激減しました。
    日本語の美しさよりは、リズムの乗りやすさ。
    J-POPS特にラップを聴いていると、言葉を悪戯に並べる遊びをしているように感じます。

    1つの音符に1文字。イントネーションも正確だった時代の歌が懐かしくなります。

  7. yuris22 より:

    marie様

    日本国民の地震に対する不安感が高まっているこの時期に、不適切極まりない発言でしたね。

    marieさんが仰る通り「悪い言葉を口にすれば、悪い事が起きる。良い言葉を言えば良い事が起きる。」
    いつも発する言葉の傾向により、その人の運も左右されます。
    政治家は日本の集合意識をネガティブな方向に持っていかないよう、言霊をもっと意識して欲しいと思っています。

  8. yuris22 より:

    T・O様

    今回の兵庫県知事の一件は氷山の一角なのでしょうね。
    政治記者たちは裏事情に詳しいそうですが、書けない裏取引もある・・。
    いつも国民は置いてけぼりです。

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