みかん投げの敗者復活戦

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今テーブルに2個のみかんが乗っている。しかしこれは買ったものでも拾ったものでもなく、粘った末に手に入れた縁起物のみかんだ。

みかん

逗子の小坪漁港は家から歩いて7分ほどの距離。毎年1月2日恒例の「小坪みかん投げ」を見に行ってきた。全ての漁船から祝いみかんが投げられるという伝統行事なのだ。
10時から始まるのを少々遅れたところ、既にパンパンに膨らんだ袋を下げた家族連れがぞろぞろと歩いている。もう終わったのかと気落ちしながらも後を追いかけた。
陸に上がった漁船たちにはカラフルな大漁旗。並んだ船の順に、ポンポンとみかんやお菓子が放り投げられていく。

小坪みかん投げ1
小坪みかん投げ2

取り付く島もないとはこれを言うんだと驚きながら、ぼうっと眺めていると漁師さんが振り向いて巨大なみかんを投げてくれた。その勢いは顔を直撃しそうで怖い!キャーッと避けたら、タモを掲げた後ろのお父さんにキャッチされ、私はたった一個の収穫もなくトボトボと帰途についた。
でも途中で、飲み仲間の椿丸を発見。マストに上っている船長をカメラに収めたのが唯一の収穫となる。

椿丸

しかし新参者としては、その後に打ち上げが待っているとは知らなかった。家に戻ってダウンを脱いだところに「どこ行ってんだよー」との電話。群集が帰った後の漁港で飲み会が始まっていると言うのだ。
きびすを返せば魚市場の前、テントの下で顔見知りの面々が祝杯をあげている。ゆうき食堂のマスターが朝6時から作ったという豚汁を頂き、お神酒を飲んでいるうちに日差しはポカポカと春陽気になっていく。

小坪漁港
ドラム缶で鍋を煮る
豚汁の大鍋

薄着で走り回る子供たち。男の子たちは勝手知ったる漁船に乗って海草を振り回し、仲間に入ろうとする女の子に「女芸人はくんなよ!」と、どこで覚えたか漁師言葉をぶつける。
それでもいつの間にか全員ではしゃぎあう幼なじみたちなのだ。
お酒の紙コップ片手にお喋りする親たちは、我が子がどこで遊んでいるか時々目をやりながら、今年もみんな揃って恒例行事が出来たことを喜び合う。

ドラム缶の焚き火。海面から照り返す太陽。柔らかな南風。私の隣の椅子には入れ替わり立ち代り知った顔が座り、「小坪はいいだろう?」と聞かれて「最高です!」と答える。

まぶたがトロンとしてきた午後3時。今日も幸せだったと帰途につける環境がどんなに恵まれているか、教えてくれたのは別れ際に握手をした仲間たちのぬくもりだった。
ゲットした2個のみかんは、もちろん彼らからのプレゼントである。

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