お彼岸の鎌倉霊園。
朝比奈峠の渋滞を予想して9時半に行ってみたら、駐車場は既にいっぱいで、管理事務所前はお花やお線香を買い求める人で混雑している。
広大な敷地の中、祖父母が眠っている墓地はずっと左手の奥にある。
さすがにここまで来ると人影は少ないけれど、周りのお墓にはそれぞれの家族たちが供養に訪れた形跡。まだ生き生きとしたお供え花が、灰色の墓石に秋の色彩を添えている。
3年前に父が倒れてから、一人娘の私が墓地の管理を引き継いだ。
毎週1回お墓参りに来ては、ご先祖様と祖父母に近況報告をしているのだが、手を合わせて目を閉じると、必ず見える情景がある。
大きな屋根の下、手前右側に祖父、左側に祖母、その後ろには沢山の人々(きっとご先祖たち)が一斉にこちらを見ているのだ。
そこは仏教でいうところの彼岸、西方極楽浄土なのだろうか。静かで清らかで、何百人が入っても窮屈でなく、常に微笑を絶やさずにいられる家である。
ちなみに「彼岸」とは、サンスクリット語の「パーラミター」(波羅蜜多)を訳した言葉。六波羅蜜(6つの知恵)の修行がベースになっている。
[布施]貪欲の心を捨てて、他人へ施しをすること
[持戒]ルールを守り、道徳的な生活をすること
[忍辱]悲しいこと辛いことがあっても、不平不満を言わず耐え忍ぶこと
[精進]最善をつくして努力すること
[禅定]心を落ち着けて動揺しないこと
[智慧]真実を見きわめる智慧を働かせること
これらを毎日実行するのは難しいので、せめて春と秋、年2回ぐらいは実行しようというのがお彼岸の法要だというが、ちょっと虫が良すぎるような・・。せめても1日にどれか1つぐらいは実行したいものだと思う。
まだまだこちらの岸で、俗世間にどっぷり浸かっている毎日。
帰りに寄ったスーパーでレジの列に割り込んできたおばさんに、ガンを飛ばしてしまった。
さっそく『忍辱』に違反。強い反省を自分に言い聞かすお彼岸である。
コメント
私にはこんな事を言う資格はありませんが・・・
「癒されましたか?」
私もこの彼岸に、多くの方々がお墓参りをしているのを横目で見ていました・・・合掌
James Byron Dean様
今回に限らず、お墓参りに行ったあとはいつも心が
すっきりします。
手を合わせて対話するのは、たぶん自分自身なので
しょう。