逗子駅に向かうバス停に、この季節とても楽しみにしているものがある。町内会の女性たちが手入れしている花壇に、チューリップの花が咲き始めたことだ。周りに誰もいないことを確かめて、お決まりの歌を口ずさむ。
「さいた さいた チューリップのはなが ならんだ ならんだ
あかしろきいろ どのはな みても きれいだな」
最初に習ったのは幼稚園のころだろうか。幾つになっても空で歌える童謡は、心の郷愁ソングである。
童謡や昔の歌謡曲に触れて、改めて素晴らしいと思うのは、歌詞が音符にすんなりと乗っていることだ。イントネーションもきっちりと合い、もちろん字余りなんてない。
比較して流行のJ-POPS。英語交じりの字余りソングはどうにも覚えられない。私が歳をとったせいか鈍いのか、青山テルマの「そばにいるね」やAIの「STORY」だってカラオケで歌っている途中から、雲行きが怪しくなってくる。ましてや日本語ラップに至っては、歌詞が洋風念仏みたいに聞こえて、どこが格好いいのかわからない。
たかが日本語、されど日本語。
最近の曲が覚えにくいのは、詞のルールを超えた言葉の使い方のせいにあるのだろうか。イントネーションも滅茶苦茶で、耳で聞いただけでは何を言ってるのかわからず、映像が見えてこないのだ。
とは言っても童謡にだって、「空耳アワー」な歌はあったな。
「からす なぜなくの からすは山に ・・・・
山のふるすへ 行ってみてごらん まるい目をした いいこだよ」
「赤いくつ はいてた おんなの子 いじんさんに連れられて いっちゃった」
子供の頃から「やまのプール」だと思っていた私は、なぜかカラスがプールで水浴びをする映像が浮かんでしまう。「いじんさん」に至っては、よぼよぼの「ひいじんさん」だった。
野口雨情大先生はこっそり後悔したんじゃなかろうかと、余計な心配をする歌である。
コメント
ストレスの溜まる歌・・・ストレスというか、悲しくなる歌、嫌な思い出の歌。
けれども、歌って色んな思い出がありますよね。
初恋の思い出、初キスの思い出(笑)
marie様
恋に滑り出した時って、どんなラブソングを聴いても自分のことのように思えますよね。失恋の時も同じですが・・(^_^;)
初キスの思い出は、う~ん、のぼせ上ってて覚えてないのが残念です(笑)
長年疑問すら感じず過ごして来ましたが人生も終盤を迎え真実を知りました。 プールスへ▷古巣へ
しかしプールスってなんでしょうね。
Yasoutori様
私は何の違和感もなく「プールス」って歌ってました。
童謡に英語が入ってるなんて凄いなあと、得意になりながら・・(笑)