ませた子供の大人食い

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子供の頃、食べたかったものを大人になってから好きなだけお腹いっぱい食べることを「大人食い」という。
アイシェアが20~50代の男女449名に行った調査では、大人食いしたかった食物のNo.1は「ケーキ(1ホールなど)」、No.2が「アイスクリーム」、続いて「お寿司」「フルーツ」「駄菓子」「チョコレート」「バケツプリン」「ハンバーガー」「フライドチキン」の順になった。

当たり前なことに、どれもお子ちゃま好みの食べ物だ。幼稚園の頃からお客の酒席にチョロチョロと顔を出していた私の場合、大人食いしたいものNo.1はソラマメ(空豆)だった。

キッチンで房から実を出すのは、お手伝いする子供の役目。背伸びして、鍋の中で鮮やかな緑色に茹で上がるのを観察する。ざるにあげて、湯気が出ている一粒を貰って口に入れると、枝豆ともグリンピースとも違った濃厚な味がしたのを覚えている。

もっと食べたいけれど、1房にせいぜい2~3粒しか入っていない高級品だ。ダメよ!と言われたあとは客間で父の横に座り、手から口へと運ばれるソラマメを、まるでペットの犬のように首を動かしながら見ていた。大人たちはどうして皮を食べないのかと、口から出されて皺くちゃになった皮がひどく可哀想に見えたものだ。

そらまめ

画像は近所の八百屋で買ってきたソラマメ。1袋298円で16房入りはお買い得なので、大人食いしてやろうと2袋買ってきた。房を指で割り、取り出した豆をザルに落としていくと、山盛りの量になる。

品のいい小料理屋で「焼き天豆」など頼めば、1~2房しか出てこないのに比べたら何とリーズナブルなことか。テレビを見ながら口に運んでいるうちに、さすがに飽きてきたものの意地になって完食。その晩はお腹がゆるゆるになって、大人食いの意地汚さを思い知った。

それでも大好きな旬の味。八百屋の一角に積まれている特売品にポケットの小銭を探りながら、また足を止めてしまう誘惑の食べ物である。

コメント

  1. marie より:

    「大人食い」も憧れでしたが、「大人買い」はもっと憧れでした。
    学生の頃だと、洋服一つ買うにも一番安いものを一つ買うと言う感覚でしたが、今では、欲しいと思い、ピンときたら色違いで買うものもあります。
    今日は、裾がフリルのブラウスを大人買いして来ました(^-^)2990円ですよ!お買い得でした(笑)
    朝晩と気温差はまだあるものの、東北も初夏の気候になってきたので・・・。
    洋服、化粧品はやはり女性にとって命ですよね?

  2. yuris22 より:

    marie様

    洋服はもちろん命。私の「大人買い」は、原宿でした。
    高校生の頃、お年玉を握りしめていったブティック(確かMILKだったと思う)で、高価なチェックのブラウスを買いました。やたら袖が膨らんだデザインで、合わせるボトムに苦労しました。早く着たくて我慢できず、まだ2月なのにブラウス1枚で出歩いて風邪をひいたのも馬鹿な思い出です。

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