地震予知から生まれるデマ

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朝から重い霧がたちこめて、まるで映画「ザ・フォッグ」の世界。海の向こうから怪物が襲ってきそうな不気味な景色だ。昨晩は釣り宿の船長が「ここ最近の天候は自分にも読めない」と言っていたが、地球を早回ししたかのようにクルクルと天候が変わっていく。

朝6時
朝6時半

九州、山口の豪雨は終息せず、空から川が降ってくるような過去最多の雨量。
北陸、東北、北海道には、かなりの低温を予想する気象庁からの警戒情報。
雨や気温だけでなく地震の心配もある。あちこちの地震予知サイトでは、深発地震、大気イオン濃度、植物生体電位などが異常値を知らせる警告。どこに発生するかの特定はバラバラだが、どれも切迫した予想だ。

東南海・南海地震想定域に厳重警戒
8月から9月にかけて、首都圏周辺でM8規模の大地震が発生する予測
福島南会津M7地震予測

日本列島は地震活動期に入ったことは確かであるし、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震や宮城県沖地震、首都圏直下地震、東海地震、南海地震など、北海道から九州にかけて50年以内にM7~8クラスの大地震が起きる確立は90%以上と言われている。

そんな中で目に付いたデマがあった。自民党の敗北予想に端を発しての噂だ。社会党首班の村山内閣のときには阪神大震災が起きたことから、今回の解散総選挙で民主党が勝つと関東大震災では?と、幾つかの掲示板に書き込まれている。

地震が起きれば被害は免れない。しかしそれにまつわるデマは天災ではなく人災だ。
関東大震災直後に起きた朝鮮人暴動の噂で多数の死者を出したり、1978年伊豆大島近海地震の4日後には「午後4~6時に震度6の大地震発生の警報が出た」というデマが流れ、静岡県全域で住民が避難する大パニックが起こった。
昨年にはジュセリーノの予言から、「愛知県岡崎市で9月13日にマグニチュード8.6の地震が起こり多数の死者が出る」という噂が広まったのは記憶に新しい。

私たちは目に見えないものの力を畏怖する。昔は口から口へ広がったデマが、今ではインターネットを通じて瞬時に広がる。より恐怖心を煽る怪物となって日本中へ、世界中へと広がっていくのは何と怖ろしいことだろう。

「地震」の揺れよりも、「自身」が揺れることの不安は大きい。利便性がもたらす弊害に巻き込まれないよう、当たり前だけど「備えあれば憂いなし」の足固めこそ、最大のリスクマネジメントだと考えている。

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