男前の女としての生き方

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著名人の訃報を伝えるニュースで最も淋しいのは「自宅で亡くなってるのを発見された」である。一人暮らしで闘病生活を続けていた女優の大原麗子さんが、死後2週間経過して発見されたというニュースに驚いた。どうしてテレビに出てこないんだろうと思っていたら、手足の神経がマヒして歩行などが困難になる難病を患い、しかも昨年11月には転倒して重症を負ったという。初耳だった。

大原麗子さんを思い出すと浮かんでくるのは、不倫ドラマで人気が出たTBSの金曜10時枠の連続ドラマだ。1984年の「くれない族の反乱」、1986年の「となりの女」。竹内まりやのテーマソングが絶妙にマッチして、恋してはいけない男性にどんどん惹かれていく普通の主婦を可愛く演じていた。

着物姿で一斉を風靡したCM「すこし愛して、なが~く愛して」も、いじらしく彼を待っている愛人のイメージ。「癒しのヒロイン」「かわいい女」としてタレント好感度調査では14回もトップの座についたのに、素顔は厳しい信念の持ち主だった。森進一との離婚会見での発言「家庭の中に男は2人いらない」は世間を驚かせたものだ。

そんな彼女を世間は「強い女」というけれど、若干表現が違う気がする。きっと恋することは大好きだったはずだし、傷ついた経験も沢山あったはず。私生活の苦労や涙は表に見せない「男前の女」だったと思うのだ。

男前の女は美しくて魅力的。しかし人の世話にならず前向きに生きている。男に媚びずにマイルールを持っている。華であることが孤独であることを知っている。彼女は自分に溺れないからこそ、対極にある不倫妻を上手に演じられたのではと想像する。

62歳での旅立ちは早すぎるけれど、一度決めたら後ろを振り向かなかった性格は、きっと人生に後悔していないだろう。大原麗子さんのご冥福をお祈りしております。

コメント

  1. テツヤ より:

    女に男前なんて言うな「立派な女だった」って言え。

    女である事を卑下してんな、誇れ。

  2. yuris22 より:

    テツヤ様

    ありがとうございます。テツヤさんのように言ってくれる方が沢山いらしたらいいのにと思いますが、女を卑下しているわけではありません。
    以前「女のくせにと言われること」と題する日記を書きました。子供を生んで育てて家事をして親の介護をして・・といった仕事に加えて、男性たちが世の中で担っている役割まで今の女性たちは抱えています。それを男性たちがきちんと評価してくれることを願っています。

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