東京へ行く時など長時間留守にする場合、気がかりなのは与六に留守番をさせることだ。仕事を済ませたら寄り道せずに、アクセルを踏んでトンボ帰り。玄関のドアを開けると二階から、チリチリと鈴の音が降りてくるとホッとする。足元で見上げている与六に「淋しかったね~、ごめんね~」と声をかけ頭を撫でると、「おやつちょうだい」のニャアが返ってくるのも致し方ない。
心配なのは鈴の音がしない時。最初のうちはトラブルが起こったのかと焦っていたが、今では悪戯に夢中になっていることが分かった。
何かを熱心にかじっていると思ったら、ドレッサーの筒に挿しておいた耳かき棒。くわえて走り回り、白い梵天をしゃぶり尽くしている。フワフワした毛玉がいいなら猫じゃらしが何本もあるというのに、どうして耳かき棒なんだろう。さらに近くにはもう一つの残骸。かじられて使用不能になったメイクブラシが転がっていた。
「あーあ」と与六を睨むと、さっとソファーの下に隠れる。頭隠して尻隠さず。尻尾をつつくとスゴスゴと引っ込み、今度は二階へ猛ダッシュ。クッションの陰に隠れて様子を伺っている。「見ーっけ!」と声を上げると、嬉しそうにまた隠れる、隠れる、隠れる。
まるで幼児の相手をしてるようで、今日も遊ばれてしまった。やがて運動が足りたのか、お腹をびろーんと広げて服従姿勢。満足げに飼い主を見つめる瞳には、いつもいつも癒されっぱなしである。
コメント
か、かわいい!
いたずらされるのは大変ですが、やはり憎めないのがペットのいい所(^-^)
我が家の猫ちゃんは綿棒が好物で、気付くとゴミ箱まであさって散らかしている・・・。
以前に飼っていた猫はティッシュがお気に入りでびりびりとやり放題。
友人が化粧を直すそばからやるので「あ~!」と悩ましい悲鳴が響く程でした(笑)
marie様
猫のおもちゃを買い漁ったものの、すぐに飽きてしまいます。人間の生活用品の方が興味を惹くみたいですね。与六のそばで、引き出しだけは絶対に開けられません(>_<)