地球がしっぺ返しをする日

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中国・陝西省で、亜鉛工場の近くに住む児童に鉛中毒の症状が見つかったというニュースに怒りを感じている。17日の報道では600人だったのが、20日には851人。工場には閉鎖が命じられたそうだが、高度成長期にある中国は、かつて水俣病やカネミ油症事件など公害を生み出した日本を辿っているように見える。

鉛中毒は少量でも、小児には神経障害の原因となるという。
「鉛は、脳、神経、腎臓、肝臓、血液、消化管、生殖器官など体のさまざまな部分に影響を与えます。発達中の神経系は最も障害を受けやすいため、特に小児の感受性は高くなっています。」(メルクマニュアル医学百科家庭版より引用)
子供は国家の最大の財産であるはずなのに、住民の移転計画作業が遅れていたためこの結果である。

まるで映画「地球が静止する日」が現実になるのでは?と思う、エゴイスティックな文明の暴走だ。争いや環境破壊に明け暮れる人間たち。滅びゆく地球を守るためにノアの箱舟のような宇宙船がやってくるというストーリーで、印象に残った台詞がある。キアヌ・リーブス扮する異星人・クラートゥが、やはり70年前に地球に降りた同胞から状況を聞くシーンだ。

「地球人は破壊的な連中だよ。変わることはない。悲しいのは自分の運命を悟っていることだ。それなのに何もできない。」
映画そのものは尻切れトンボの駄作だったが、人類は「何もできない」というのは当たらずとも遠からずだと思った。例えば地球温暖化問題もその一つだ。

京都議定書で設定された温室効果ガスの削減目標に対しては、各国の意見が対立。中国やインドは「温暖化は先進国の責任」だと反発し、世界最大の排出国であるアメリカは京都議定書への復帰はない。日本に至っては、1990年に比べて総排出量が6.2%上回っているのが現状である。温室効果ガスの削減にはコストがかかり、経済の発展・向上には代えられないからだ。

ヨーロッパの究極の目標は、CO2の排出総量を産業革命前に戻すことだそうだが、高度成長期に差し掛かったアジア大陸の国々は「追いつけ追い越せ」と、先進国の悪例に追従していく。結局人間は変わることはないのだと悲観的な気持ちになる。

このままでは私たちが痛めつけている自然から、いつかしっぺ返しが来るだろう。中国の亜鉛工場の事件も対岸の火事ではなく、世界の経済戦争が引き起こした結果だと思えてならない。その被害者は地球の未来を担う子供たちである。

コメント

  1. 同道堂 より:

    日本在住の中国人ですが、もっと酷いことが中国で日々起こっていることを知っている。中国での環境汚染はもう後には戻れない。中国共産党政府の高級幹部とその家族たちはすでに欧米のパスポートを持っている、いつでも移民できるようになっているから、思い切り中国の大地とその上の民を搾取できるわけ。

  2. yuris22 より:

    同道堂様

    驚きました。地を這って国を支えてきた人民が滅びるのを、ごく一部の特権階級たちが高見の見物をしているのでしょうか。文明の利とは何なのか、ますます分なくなりました。どんなに贅を尽くしても得られないものは「命」なのにね。

  3. 亀吉 より:

    数年前からの数々の災害が、私には地球が怒っているように思えてなりませんでした。もうすぐその怒りが沸点に達するのでは?
    とにかく、人間が増えすぎました。「増えすぎた種は淘汰される」の法則どおり、人間はクラッシュに向かって突っ走っています。

  4. yuris22 より:

    亀吉様

    人間の支配欲は止まるところを知りません。DNAの操作まで行うようになって、神の領域にまで踏み込んでしまいました。
    増えすぎた種は淘汰される。地球から見たら賢いネズミの集団は、崖に向って突進しているように見えます。

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