証拠品で遊ぶ思い上がり

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郵便不正事件で浮上したFD改ざん問題。容疑者の主任検事は大阪地検側の聴取に対して、以下のように答えている。
「上村被告宅から押収したフロッピーディスク(FD)を返す直前、被告がデータを改ざんしていないか確認した。その際、私用のパソコンでダウンロードしたソフトを使った。改ざんは見あたらなかったため、そのソフトを使ってFDの更新日時データを書き換えて遊んでいた。USBメモリーにコピーして操作していたつもりだったが、FD本体のデータが変わってしまった可能性がある。FDはそのまま返却した。」
(ahahi.com 2010.09.21「検事、押収資料改ざんか FD内文書日付変更 郵便不正」より抜粋)

自宅に持ち帰って試した時点でアウトだが、PCに関してのスキルがお粗末なことに呆れた。使われたフリーソフト(タイムスタンプ変更ツール)に改ざんをチェックする機能がないのは、ダウンロードの際に説明を読んでいれば分かること。しかも書き換えたデータをFDに上書き保存したとなれば、特有の保存音で気付くはずである。

さらには更新日時データを書き換えて「遊んで」いたとは、日本語の使い方までお粗末だ。人ひとりの人生を左右する貴重なデータで遊ぼうという神経自体が、特捜部のエースとしての思い上がりではないだろうか。検察は神の手を持っていると思っているのだろうか。

PCデータのプロがチェックすれば正しい日付の痕跡は発見できる。しかしもし、返却されたFDが証拠品として法廷に提出されていたらどうだろう。誰も改ざんがあったと疑う余地もなく、被告の冤罪を招いていたかもしれない。

この一件から、証拠品のすり替えが簡単に出来ることが露呈した。これまで死刑に処されてきた故人たちにも、真相をすり替えられた冤罪者がいる可能性がある。検察側のミスが故意であろうが過失であろうが、「死」がもたらされることに変わりはない。たった1枚のFD改ざん問題は、死刑制度の是非にまで繋がる導火線だと思っている。

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