今更ながら最少不幸社会について

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窓を叩く強い雨が止んで、不気味な雲が少しずつ去っていく。東京都心では2月の観測史上最大の降水量だったらしい。満月トリガーに加えて、暖房が要らないほどに気温が上がり、大地震が起こりそうな不安を抱えていたが、揺れたのは地面ではなく民主党だった。

大雨の後
16人の小沢系議員が会派離脱願を提出。2011年度予算案や関連法案に反対しないよう、民主党は個別に説得していく方針だというが、彼らは政権交代のマニフェストがあったからこそ比例で滑り込み当選した16人だ。ぶれまくりの菅政権に愛想を尽かし、「民主党政権交代に責任を持つ会」として原点に戻るのは、国民の側から見ると胸がスカッとする。

そもそも菅政権のスタート時からして悪い。政治理想として掲げた『最少不幸社会』というキャッチフレーズを聞いたとき時、なんてネガティブな小さい男なんだろうと思った。「幸福のあり方は人により多様で自由なので、政治の最大の役割は、不幸になる要素をできるだけ少なくすることにある。」という主張だったが、目標を小さく掲げた場当たり的な発想に見える。大元である魚の骨抜きをせずに、喉に刺さった骨をチマチマ取り除くようなイメージだ。

また赤字国債を発行するために、公債特例法案を通すこと。子ども手当の財源を得るために、成年扶養控除を縮小すること。いじくりすぎて辻褄が合わなくなった政策を押し通すために、誰かを不幸に陥れる。それが最少不幸社会なのだろうか。

最後に、首相官邸ブログ(KAN-FULL BLOG)の2月15日号を見て呆れたことを一つ。ダボス会議(世界経済フォーラム)で菅総理が行ったスピーチへの反応を自画自賛しているので抜粋する。

参加者:I love the personality of your PM. We will wait to see him next year.(菅首相の個性、好きですね。来年も(ダボスで)待ってるよ)

質問:最小不幸社会という発想をどう思った?

参加者:It’s great. That’s what we all want. And I like his approach.(素晴らしいわ。私たち皆が望んでいることよ。彼のアプローチもいいわね)

誰が編集しているのか知らないが、まるでお気楽TV番組のブログ版。恥の晒し方こそ、どうか最少にして貰いたい。

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