見ず知らずの人からバカと呼ばれたことはない。しかし私は読売新聞の読者というだけで、愚者らしい。しかも集団IQ60の新聞社から情報を得ているのだとすれば、もっと知能指数が低い読者ということか。1000万人の購読者に対して侮蔑にも程がある。
端を発したのは、読売新聞社が4月20日に発表したニュース『ベストセラー盗用疑惑、TDL逸話集「最後のパレード」』だ。(詳しい経過はparede@ウィキ「パクリ本“疑惑”最後のパレード」)
槍玉にあがった「知財作家」と称する著者は、自身のブログの中で『読売新聞を読む愚者に告ぐ』と過激なタイトルを挙げ、誤報を流した読売新聞には「思いやりマインド」が欠如していると怒り、人間としての赤い血が流れていないとまで発言している。
しかもその前の記事では、ディズニーの集団IQが200とすれば、読売グループは60くらいとして(笑)記号まで付けている。渦中にない人間からすれば、ディズニーとは何様かとイメージダウンになるだろう。
果たして全てが誤報なのだろうか。本の帯には『東京ディズニーランドの開業に携わり、当パークのスーパーバイザーを約15年間つとめた著者が、すべてのキャストたちへ丁寧に語り伝えていた「ディズニーランドの心温まる出来事」を33篇収録』と書かれているが、今年3月の発売直後から2ちゃんねる・遊園地板スレッドからのパクリではないかと声が多発した。
おまけに問題となった日本郵政公社総裁賞作品「大きな白い温かい手」は、大分の遊園地での出来事であり、大分で「あひるさん」の着ぐるみがいるテーマパークはサンリオのハーモニーランドだ。TDLのエピソードと思って涙を流した読者に対し、ドナルドダックは赤っ恥をかいたことになる。
TDLの入場者から寄せられた手紙に記されていたエピソードも、この本には複数載せられたそうだが、それに関して運営会社には何の相談もなかったという。手紙とは内部情報であり、無断使用が許されて良いものだろうか。23万部も売れた印税を受け取るなら、元ネタの著作権者ときちんと折り合いをつけてから発行するべきだ。
出版社のページにアクセスすると、表示されるのは「一部報道につきまして」というメッセージ。載せたエピソードはネット上に投稿されている周知のエピソードを拾ってきたので、盗用ではないとしている。体験者本人から連絡があれば誠意を持って対応するともしている。
しかし締めくくりの文章にはがっかりした。
『最後に、弊社は著者の中村氏から初めてこの原稿を受け取ったとき、私たちが忘れかけていた「人を思いやるこころ」「やさしさを感じるこころ」が伝わってくる温かい内容だと思い、この本を出版しました。ほんの少しだけでもかまいません。本書をお読みいただければ、私たちが伝えたいメッセージはきっと感じていただけるものと信じています。』
(サンクチュアリ出版・代表取締役のメッセージより引用)
人の思いやりや優しさを無断で売ってベストセラーになった上に、ほんの少しでも読んで欲しいとは商魂逞しすぎる。特に読売新聞を擁護する気はないが、IQ60に満たない物書きには理解不能だろうから、さらさら手に取る気にもならない。amazonのカスタマーレビュー「娘の涙を返せ!」の怒りはますます広がりそうな勢いだ。
コメント
ウォルト・ディズニーの番組は毎週日曜日朝見てたけど、TDLには一度も行っていない拙者…さあ! IQはいくつ?
素浪人様
TDLに一度も行ってないというのは、希少価値かもしれませんよ。夢は夢のままでというスタンスもありますからね。
私はサンリオピューロランドと大分ハーモニーランドの立ち上げに加わりましたが、オープンしてからは一度も行っていません。裏方の仕事は観客に見えずに終わっているのが良しと思ったので、私が書いた歌詞がどんなふうに流れているのか知らないままです。ずっと夢の中にあるテーマパークも乙なものです。
僕はIQがいくつだとどれくらいエライのかさえ、よくわからないくらいバカですが、全部TDLの実話だとウソこいている確信犯はIQいくつだろうが放っておきましょう。
僕は本は“幸いにも”買って読んでいないですが、漏れ聞くエピソードはいくつも聞いたことがあります。有名な話ばかりですね。
TDLは働いている人が常時2万人もいるのに、中での話があまり外に漏れないことにずっと感心していました。この筆者が事実長く要職で働いていたとすると、TDLはとんだ人を採用してしまったと、後悔していることでしょうね。
出版社のコメントは、見に行ったら、yuriさんご指摘の内容から変わっていたようです。
中途半端な謝罪文を載せているJ事務所のも差し替えになるのかな?
たけぞう様
本来なら回収して然るべきですが、既に売れてしまった分まで返品を受け付けたら、出版社は傾いてしまうでしょうね。
TDLにも出版社にもこれだけの被害を与えながら、まだ自分のブログで吼えている著者こそ思いやりに欠けているんじゃないかと思います。少なくとも人を教育できる素質は感じられません。