テレビのニュース番組を見ている時、いつも注目する部分。それはアナウンサーの表情だ。
昨夜、某局の女子アナが『スキー場での雪崩事故』について原稿を読み上げた後、「さて、お天気情報です」と次に場をふった。
悲しいニュースの直後に、一転して勝ち誇ったような笑顔。
なんでスマイルの場面なの?
事故で家族を亡くした家族が見ていたらどう思うだろう。にこやかに次はお天気と言われて、そんなに簡単に気持ちの切り替えが出来るだろうか。
笑顔が美しいことは、アナウンサー試験の合否で高ポイントを占める。
アイドルよりも画面に登場する時間の多い彼女たちは、知性・ルックス・ファッションのどれを取っても、お茶の間の老若男女・スポンサー・スタッフから共感を得なくてはならない。
ドラマのような入念のリハーサルもなく次から次に原稿が渡され、間違えないように口を動かす一発ワザ。ちょっとした失敗には投書がくる。
余裕を見せなくちゃ、堂々としなくちゃ、制作会議でダメ出しされないようにしなくちゃ。
ひきつった笑顔を作る彼女たちは、ロボットなんじゃないの?と観察したくなる。
笑顔を作るのは難しい。
他人を納得させたり和ませたりする表情はもっと難しい。
何度も当選経験のある代議士でも難しい。鏡の前で練習しても難しい。
なぜなら自然な笑顔は、自信が持てる真実の心を映しだしているからだ。
どうか輝かしい将来を担う女子アナの皆様。
クイズ番組に勝つ知識を肥やすだけでなく、人間ならではの感情の機微を増やして欲しい。
机上の情報に泣き笑いするのでなく、自分の手で掴んだ喜びに笑い、ジタバタしながら失っていく無情に泣き、それでも生きていかなくちゃいけない人生を謳歌して欲しい。
表面ばかりで「いい子」ちゃんになってる笑顔は、本当に悲しい人たちにはお見通しの似非笑いなのだから。
ニコニコ笑いながらポロリと涙を流す(本当に泣けとは言わないけど)、そんな愛情を覗かせて欲しいと願っている。
コメント
そう言えば阪神淡路大震災の時に、派手な服装で現場入りして顰蹙を買ったキャスターが居た事を思い出した。確か女子アナでは無かったと思うけど。
しかしTVの様に情報量が多くなるほど、製作側の力量(人間性)がバレてしまうと言うことか。
素浪人様
ニュースを読むトレーニングは受けていても、心のトレーニングが疎かに
なっているように思います。
殺伐とした世相の中では、悲しみや怒りには慣れっこになってしまったの
かもしれませんが・・。