昨夜は逗子の友人を誘って、恵比寿でクリスマス・パーティー。ロングドレスにミンクのコートという、銀座のクラブへのご出勤みたいな格好が人目を引くので、小金井行きの湘南新宿ライナーはグリーン車に乗った。
30分後の横浜駅。女2人しかいない車両の前部、静かなコンパートメントに、そのスジと思わしき男性2人が乗り込んできた。「椅子を後ろに倒していいですか?」とこちらを振り向いたのは、五分刈り頭のお兄さん。シートをフルリクライニングにすると、新聞をガサガサと広げて隣の舎弟に大声で話しかける。100m先まで聞こえそうな会話は、どうやら私たちを意識しているらしい。
兄貴「いいか、1日一回は経済新聞を読むんだぞ。俺たちには経済新聞だ!」
舎弟「はいっ、産経新聞ですねっ」(日経新聞でしょうが!)
兄貴「ゴキブリは普通車に乗っちゃいけねぇ。俺たちゃゴキブリだから、グリーン車に乗らねぇとな」
舎弟「乗るの初めてっす!兄ィ、ありがとうございます!」
兄貴「バカ、お前が払うんだ!」
数分後、「どちらまで行かれますか?」とチケットを確認しにきたグリーン・アテンダントは、胸に研修中の名札。ピクピクと顔が引きつっている。
兄貴「小金井から新宿まで!」(横浜から新宿でしょ?)
アテンダント「はい、小金井から新宿ですね」(おいおいっ・・)
兄貴「なんか食うか。お姉さん、ポッキーくださいっ」(ズルッ・・)
逃げるようにアテンダントが去った後、携帯電話からジャンジャカジャンジャカと音質の悪い曲が流れ始めた。
兄貴「いい曲だろ、相手によって着メロを変えてるんだ。30曲も登録してんだぞ。これは○○組の兄ぃだ」
舎弟「すげえセンスいいっすね!」
兄貴「これは○○のクソバカだ。あれっ、出ねえな。留守電になりやがった」
舎弟「野郎、締めてやりましょう!」
賑やかな曲が続いた後、決定打らしい山下達郎のラブソングが流れ始める。
兄貴「○○の姉さんはこれよ。女には口説ける歌でなくちゃな」
やおら立ち上がった兄貴が、振り向いて私たちに目配せ。ヒエーッ・・。
そこに絶体絶命のピンチを救うかの如く、リーン、リーンと普通電話の着信音が鳴った。(着メロを30曲登録したんじゃないのか?)
幹部らしき相手と商談を始めた兄貴は、どれだけ今度のヤマに時間を費やしたかを必死に説明している。報酬に関してしつこいほどに念押し。
兄貴「きっちり貰いますよ。俺たちの取り分は90万ですからね、忘れないでくださいよ。90万を4人で分けますからね!わかってますね!」
えっ、90万円なの?桁が違うんじゃないの? 笑いを噛み殺すのが限界に達した頃、電車は恵比寿駅に停車。そそくさと降りた私たちは気を取り直し、ウェスティンホテル東京へと向かった。ちなみに彼らは新宿の味楽亭とやらで忘年会らしい。新宿歌舞伎町、風林会館近くの焼肉屋さん。兄貴たちのさぞかし煙ったい話が飛び交うことだろう。
画像はクリスマス・パーティーでの記念写真。女優の司葉子さんと撮りました。左端は笑いすぎてメークがすっかり落ちた私でございます。
コメント
昨日は高田馬場で、学校の先生をしてる人達と
小さな忘年会でした。
昨日がピークだったのでしょうか、
帰りの電車が混むこと。
グリーン車でも乗り込むのがやっとな程でした。
>ゴキブリは普通車に乗っちゃいけねぇ
朝の通勤時に良く遭うのがいます。
帰りの電車で会うときは、一般車両に乗るんで
混雑が嫌なだけみたいw
たまに他の客に絡んでます。嫌ですねぇ。
最高です!!!面白すぎる会話とゆり子さんの突っ込みに噴出してしまいました。その場にいらしたマダムと笑いを堪えるのが、さぞ大変だったことでしょう(爆笑)
T.watanabe様
昔の私なら怖くてすぐに席を移動したでしょうが、ゆうき食堂はじめ小坪の濃い面々に鍛えられてる今は、「兄弟!」「仁義を知らねえな」といった用語にも慣れっこです。あそこまで大声だと、車内での携帯電話も気になりません(笑)
日の当たらない彼らにもメリー・クリスマス!
こまちゃん
火曜日の夜は、恵比寿からのグリーン車も超満員でした。忘年会のピークだったんでしょうね。おかげで喉がカラカラに渇いて、逗子に着いてからすぐにバーに飛び込むことができました(笑)
ご無沙汰しております。
日記はいつも読ませていただいてます。
笑いました。笑いました。
これってメモって置いたのですか?
ご本人にも読ませてあげたい!
ミススミス様
お楽しみ戴いてありがとうございます。兄貴たちの会話をどれだけメモりたいと思ったことか・・。電車を降りた後は、隣席の友人と確認しあいながら記憶に留めました。またどこかで出会えたなら、山下達郎ソングへのお返しに、竹内まりやを流しましょう!