電話から伝わる人間性

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長年の友人から月に1度、「変わりはない?」の定期コールがある。親同士が若い当時からの親友だったので、彼とは友人というよりも親類に近い。携帯画面の着信名を見て、仕事が忙しい時など正直面倒でもあるが、「大丈夫、元気だよ」と返事をすると「そうかい、良かったぁ!」と安堵の声。大した用事ではない近況を聞けば、まるで故郷の母親と話しているような感覚に陥る。

腹が立つのは固定電話にかかってくるセールス。「私○○社の××と申します。本日は△△についてのご案内をさせて頂きたく電話を差し上げました。」
どこで電話番号を入手したのか、こちらの都合はお構いなしで、明らかにマニュアルを読み上げている。中には「奥様でいらっしゃいますか?」と切り出す輩もいるが、昼間に自宅にいる女はみんな奥様なの?と、時代遅れの浅知恵が忌々しい。

電話の喋り方、人それぞれ。立て板に水のように用件を捲くし立てる人間もいれば、つたないボキャブラリーをポツリポツリと朴訥に話す人間もいる。内容が的確に伝わるのは前者かもしれないが、心に残るのは後者なのは何故だろう。それは電話を切った後でも、冬の日だまりみたいに優しく暖かい。

大切なのは、電話の向こう側にいる相手が見えているかどうか。鏡に映った自分の顔に酔いしれているナルシストではいけない。スピーチならともかく、立て板に水の流暢な喋りは、聞き手を置いてきぼりにしがちだ。論戦やアマチュア無線じゃあるまいし、ベラベラベラッと喋った後に「はい、どうぞ」と言われても、こちらは既に白けきっている場合もある。

手の内の100パーセントを伝えることは難しい。長ったらしければ伝わるわけでもない。しかし自分の根っこにある言葉・自分を偽らない言葉には、テクニックに勝る「ストレートな想い」がある。信じられる人。それは会話の最後に「また電話するよ」の一言が絶対に嘘ではないから、ぽかぽかと心に残る日だまりなのだと思う。

コメント

  1. セールス上手は聞き上手と言いますしね。
    如何にお客様の問題点や、希望するニーズを共有出来るかが重要ですもの。
    私も電話は苦手で、飛び込みで行っちゃいます。
    ファーストコンタクトはポストに入れる手紙だけにして、呼び鈴も押しませんよ。

  2. yuris22 より:

    湘南ミヤウチさん

    電話や呼び鈴は、相手の都合を無視しますものね。最初に手紙を入れておくのは、結果はどうあれ準備期間が出来ます。
    ただし物には程度があって、前に証券会社から筆書き(しかも巻物)のセールスレターが届いた時は、さすがに引きました。

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