祭りの陰に参院選投票日

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ポツポツと雨が降り出した午後、参議院選挙の投票に出かけた。投票所の小学校会議室はガラガラで、並んだ記入ブースには私ひとり。この時期、サッカーW杯の応援に比べると、国民の選挙への関心は低いようだ。

折りしもこの土日は、小坪須賀神社の天王祭。お囃子の音が朝から響き渡り、各地区の山車やお神輿が町を練り歩く。
「山車に乗ってるのは、うちの孫なんですよ」
はっぴ姿で笛を吹く男の子を、誇らしげに指差すおばあさん。幼稚園や保育園に通う年齢からお囃子を練習する慣わしは、ずっと昔から続いている。練習の後に「テンテケテンテン・・」と太鼓のリズムを口ずさみながら、帰宅する子どもたちの姿は可愛くて頼もしい。しかしこれから20年後の彼らには、伝統行事を引き継ぐ未来の手はあるのだろうか。

小坪天王祭

昨年10月、全国の成人5,000人を対象に実施した内閣府世論調査では「結婚しても必ずしも子供を持つ必要はない」と答えた人が、20歳代で63%、30歳代で59%にも上った。その結果を内閣府では「個人の生き方の多様化が進んでいる」と分析したようだが、お気楽すぎないだろうか。若い年代ほど雇用不安や年金問題など、子どもを安心して育てられる環境への疑心暗鬼度が高まっているはずだ。

今回の参院選で、子育て・教育に関して各党が掲げているマニフェスト。保育所の整備、学費の無料化、子どもの医療費負担軽減等、夢を形にする財源は国民からむしり取る血税であり、議員たちの懐は全く痛まない。石川啄木の『一握の砂』が、今なお私たちの暮らしそのものに思えてくる。

はたらけど
はたらけど猶わが生活(くらし)楽にならざり
ぢつと手を見る

明日の未明までには、ほぼ確定する投票結果。達磨に目を入れ、バンザイをする当選者にとっては「はたらかずともわが生活 楽になりき」の瞬間なんだろう。

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