著名人ほど短いプロフィール

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先日、ある著名人の名刺を頂いた。表を見ても裏を見ても、載っているのは縦書きの氏名だけ。連絡先については、後ろについて回る秘書が事務所の名刺を差し出す。私はと言えば、携帯電話番号やメールアドレス等々、細かく書き連ねた名刺が気恥ずかしかったが、人は全国的認知度が上がるほど装飾は要らないことを教えられた。

某ボランティア団体で会報作成委員をしている関係上、毎週スピーチをして頂く方たちのプロフィールを目にする。メールで送られてきたファイルを本人のご意向通りに載せているが、著名な方ほど分量が少なく、スッキリまとまっている。細かい経歴まで載せれば紙面を何ページも使ってしまうし、マスコミを通して熟知されている経歴を今さら載せる必要がないからであろう。

逆に、載せるネタがない人ほど使いたがるのが「歴任」という言葉。大辞林で検索すると、以下の意味になる。
「歴任(する)」
次々にいくつかの官職を務めてきたこと。
「官職」
(1)各国家公務員に割り当てられている一定の職務と責任をもって占める地位。
(2)官吏の担当する役目の一般的な分類である官と、その下の具体的な類別である職。
(3)官制上の地位。

従って「官」のポジションでない場合は、「歴任」ではなく「経験」が適切なのでは?と思うが、WEBで様々のプロフィールを見ていると、ラジオ番組のパーソナリティーまでもが「歴任」と豪語しているのに驚く。終わった番組、終わったプロジェクト、消えてしまった企業名等々を載せるスペースがあるなら、現在の思いやビジョンを載せたほうがいい。

プロフィール公開の場として、WEBの情報網は広くて素早い。本人が削除したつもりでもキャッシュは残り、それを魚拓としてSNSやブログが発信し伝染していく。「こんな国語も知らないのか」と揚げ足取りのwwwが並ばないよう、要職にある人ほど万全の注意を払うべきだろう。

そんな意味でいえば、氏名しか載っていない名刺は、究極のガードがなされたプロフィールなのかも。ブログで恥もなく私生活をぶちまけている私は、検索サイトに増えていく自分の名前を見ながら、ますます言葉選びが難しくなっていくのを感じている。

コメント

  1. 的は逗子の素浪人 より:

    いやァ~「経験」では、ゆり子さまの右に出る者はないでしょう!

  2. とーます より:

    確かに、政治家の名刺やその筋の人たちの名刺は、とてもシンプルでした。ある政治家は、金属でできた名刺で驚いたことがありますが「衆議院議員 ○○ ○○」だけなんですよ。

  3. yuris22 より:

    的は逗子の素浪人様

    プロフィールには載せられない経験ばかりですけどね。

  4. yuris22 より:

    とーます様

    金属製の名刺ですか。たぶん連続当選を固く信じているんでしょう。せっかくなら金やプラチナにして頂ければ、家宝になりそうですね。

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