風に震える木と経済と人間と

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昨夜は暖房器具を出そうかと思うほど、急に冷え込んだ。東京では去年より1週間も早く木枯し1号が吹き、これからは黒やグレーの服装と、淋しげに背中を丸めて歩く人が多くなる。夏は大賑わいだった逗子でも、早々とシャッターが下りた商店街は寒々しさを増すばかりである。

「木枯や更け行く夜半の猫の耳」(北枝)
夜風が窓を叩くたびに、毛布の上で丸くなっている与六の耳がピクリ。薄目を開けて私を確認すると、安心してまた眠りにつく。手を伸ばせば届くフワフワのぬくもりと今夜は添い寝。

こがらしは歳時記で晩秋に入るのかと思えば、初冬の季語。しかも「木枯し」より「凩」の漢字の方がメインになっている。風の略である「几」と「木」とが組み合わさった形から、木の葉が風に吹き飛ばされていく様子が目に浮かぶ。これから冬に向かって一直線だ。

「寝た下を凩づうんづうんかな」(一茶)
ちなみに我が家の寝室は、マンションの通路を跨ぐ橋のような構造になっていて、床下は風の通り道。一茶の句のように、凩がづうんと吹き抜けていく。そんな時には空飛ぶ夢をよく見る。夢占いによると、現実社会からの束縛や抑圧から解放されたい願望というが、いくら飛んでも目が覚めれば現実。風の上に寝ていただけだ。

リーマンショックから約2年が過ぎた。今年は厳冬になるという予報と共に、乗り越えなくてはいけない年の瀬がまたやってくる。世界の経済は凩が吹き続けたままで、雇用促進も一向に進まない。「几」に「金」、「几」に「人」なんて書く漢字はないけれど、不況風に震える経済と人間が、抑圧から解放される日はいつになるのやら。

待ちわびるのは「几」に「止」。凪(なぎ)の時代が戻ってくるまで、少しでも小春日和が私たちのもとに訪れるのを祈ろう。

コメント

  1. easyman より:

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  2. 花野井美貴子 より:

    ご無沙汰してしまいました。

    こんばんは。
    花野井&セリカです。

    寒いですね! この気温の変化で、風邪気味です。

    今年は、春も秋もないような1年のような気がします。

    寒さは、気候だけではなく、私たちの懐も同じです。

    この不況から、早く、救われる日が一日も早く訪れることを願っています。

    お身体には、ご自愛を。

    また、遊びにきまーす^^

  3. yuris22 より:

    花野井様

    暑さは木陰に駆け込めばいいけれど、寒さは逃げようがありません。冷え込んだ経済には中間層でさえ、さすがに疲弊してきましたよね。
    本来なら楽しいはずのクリスマス、お正月も、すすけて見えるのは私だけでしょうか。

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