箪笥の肥やしとドレスコード

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昨夜は恵比寿ウエスティンホテルでのパーティーで、華やいだ一夜。乾杯のあとに松島トモ子さんを囲んで、記念撮影をした。女性は和装かドレス、男性はブラックタイかタキシードというドレスコードがあったので(仕事帰りで平服の方もいらしたが)、私も胸の開いたドレスで勇気を出してみた。

松島トモ子さんと逗子メンバー
一生のうちにフォーマルウェアを着ることが何回あるだろう。特に和服は種類によってルールが厳しく、価格の割には出番が少ない。先日、手持ちの和服を全て虫干しして気付いたこと。振袖は言うまでもなく、私には二度と袖を通すことのない正装があるのだ。それは黒留袖。

黒留袖は既婚女性の第一礼装であり、黒の紋付き裾模様。背、両外袖、両胸の五ヶ所に家紋を染め抜き、裾には祝い柄が施されている。我が家の家紋は「五瓜に唐花(ごかにからはな) 」、別名「織田瓜」と言い、織田信長の甲冑にはこの家紋が付いていたそうだ。

黒留袖 織田木瓜

しかしどんな格式ある礼装であろうと、黒留袖はミセスでなければ着られない。せっかく祖母が縫ってくれたのに、義兄の結婚式で一回着たのが最後である。離婚して親族の少ない一人っ子の身では、これから袖を通すチャンスは0%に近いだろう。

パーティーを共にしたバツイチの友人にこの話をすれば、「私なんか、とうの昔に捨てちゃったわよ」とあっさり。着なくなった毛皮のコート同様、無用の長物であることには間違いないが、私には日本の伝統文化をゴミに出すのは憚れる。眺めては溜息をつくばかりだ。

歳をとるほど華やかなシーンは遠のいていき、ノースリーブのドレスだって憚れる日が来るのはもうすぐ。ドレスコード(服装指定)とは、場の雰囲気作りとエチケットという演出ではあるが、面倒臭いと思ってはいけない。あと何回フォーマルな自分を鏡の中で見られるか、箪笥の肥やしは着られるうちに着ておけ!が、ドレスコードなのだと思った。

コメント

  1. marie より:

    私は着物が大人になってから好きではなくなりました。
    その理由はアップヘアが似合わないことに気付いたんです。
    毛先を散らすようなカジュアルな感じならまだいいのですが、シンプルなまとめ髪をすると「昭和の娘」になってしまうんです。
    なので、フォーマルな場所では髪を結わずに済むドレス系の洋服とかスーツとかです。
    胸のかなり開く服は着なくなりましたね。
    昔は大好きだったんですけどね(笑)
    けれども、男性の胸元への視線がイヤになり、着なくなりました。
    いまは胸が悪目立ちしないような洋服を選んで着てます。

  2. yuris22 より:

    marie様

    デコルテラインはフォーマルの基本だと思って、今回はマッサージなどもして頑張ってみました。でもいざとなるとストールをかけて隠したまま。何よりも二の腕を出せません(^^;
    クリスマスのパーティーシーズンに向けて、トレーニングあるのみです。

  3. とーます より:

    私もディレクターズスーツを持っているんですが、昼の結婚式に出て、夜の二次会にそのまま着ていったら、昼の純礼装だと言われ、恥ずかしい思いをした事があります。

    女性の方は、男性よりたくさんバリエーションがあって、しかもルールが厳しいので、本当に困りますよね。あと、着物は目が飛び出すほど高いものもあって、高級車が買えるような値段を聞いて驚きました。

  4. yuris22 より:

    とーます様

    着物が高価であれば、長襦袢、帯、帯あげ、帯締め、草履、バッグ、ショール等々もグレードの高いものが必要になります。車のオプションと一緒ですね。私は実家で、人間国宝の作った反物で振袖をあつらえてもらいましたが、一回しか着ませんでした。札束を空にばらまくようなもの。親には感謝しつつ、自分だったら絶対に買いませんね。

  5. 的は逗子の素浪人 より:

    母が着物を山の様に残して逝きました。装束はもちろん着物です。
    一周忌になりますが、さてエ~どうしたものやら???

  6. yuris22 より:

    的は逗子の素浪人様

    山のようにですか。それは大変ですね。着物は春・秋と虫干ししなければ絹が痩せていきますから、いつかは着られなくなってしまいます。
    ご親族・ご友人がいらっしゃるなら、形見分けしては如何でしょうか?

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