突然変異を期待する生活

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青紫の花を咲かせるアガパンサスが、緑の長い花茎を伸ばすようになると梅雨が近い。あっという間に1年が過ぎてしまったことに気づき、こんな生活でいいのかと焦るのも去年と同じである。

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私の生活スタイルを表現している熟語は「一気呵成」。ゆったりと時間配分するのではなく、仕事でも趣味でも完成を見るまでは寝食を忘れて全身全霊を注ぐ。作詞家、放送作家、コンサートの構成作家、ミュージカルの脚本家を掛け持ちしていた頃は、このワーキングスタイルで張りつめていた。

作詞家としては、アーティストや子どもの歌などを書いて(もしくはメロディに嵌め込んで)、スタジオ録音に行く。

放送作家としては、月~金の午前中枠の帯番組のために情報入手(試写室で映画を見る、アートの展示を見る、流行っているものを取材する等が毎日)をして原稿を書き、別枠で夜の生放送もこなす。地方の放送局にはパーソナリティーと一緒に録り溜めに行く。

構成作家としては、アーティストたちのコンサートを無から形作る。何を歌うか何を喋るか、どんなステージを組み立てるか、演出の流れはどうするか等々、とにかく全部だ。

ミュージカルの脚本家としては、ストーリーを作り、舞台の流れを考え、台詞と詞を書き、演出家と打ち合わせをしながら直しを入れる。脚本が完成するまではホテルに閉じ込められたり、原稿を取りに来たスタッフが家の下で待っていたりする。

上記の仕事をスケジュールに割り振りし、鎌倉の実家から運転してスタジオや取材先に向かい、深夜に帰宅して明け方まで原稿を書き、適当に朝ごはんを流し込んでまた出動。そんな生活がずーっと続いていた時代を振り返ると、狂気の沙汰だったとしか思えない。東京まで1時間の距離でよく事故らなかったものだ。しかもちゃんと恋愛やおしゃれまでしていたのは、アドレナリンが長期に渡り出まくっていたのだろう。

やがて年末に急性腎炎で倒れ、医者に「死んじゃいますよ」と言われて、今は自宅で原稿書き&WEB制作の仕事をしている。なのに一気呵成の癖は治ることがなく、気が付くと48時間が1日になるのは度々だ。その結果は・・・猫だけがダーリンのお一人様に満足し、視力が低下して転びまくって満身創痍。足のカサブタが増えていくのを見ながら無理を悟る。

本当に私、何してるんだろう。要するに不器用なんだな。取捨選択ができなくて全部をやろうとするから、高血圧や高尿酸値のツケが回ってくるのは分かり切っているのにねぇ。

これじゃ干からびると思い、恋愛に目を向けたこの頃。でも昔のように仕事と両立させるパワーはなく、年増のシンデレラを救出してくれる誰かがいたらと妄想を抱いている。妄想が現実になる確率は低くとも、アガパンサスが突然変異で赤や黄色の花を咲かせないとも限らない。ひそかに万が一を期待しながら、また一年が過ぎていくことに歯止めをかけたいな。

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