政府が見捨てた牡鹿半島の現状

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東関東大震災で壊滅的な被害を受けたにも関わらず、支援物資が届かない宮城県石巻地区の牡鹿半島に、皆様からのご支援をお願いしています。
自分の仕事を投げ打って、横須賀から支援物資を積んだ軽トラックを走らせているハミングバードの野澤さんから、牡鹿半島の現状についての詳細なメールと写真を頂きました。涙を通り越し、行政への腹立ちで身が震えます。

長い文面ですが、どうか最後までお読み下さい。そしてこの声が政府に届くように、皆様の力をお貸し下さい。コピー・転載OKですので、どんどん広めて下さるようお願い致します。

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【ハミングバード 野澤亨さんからのメール(2011年4月16日付)】

予想通りの問題が起こり始めています。
石巻・牡鹿半島方面を例にとると、現地最前線は鮎川支所(行政センター)で、支援物資やボランティア等を統括するのは災害本部長です。

*順を追って説明すると・・
各地区の町内会長さん、区長さんから在宅避難者の物資支援依頼が災害本部長に出されました。しかし行政サイドは、指定避難所以外の在宅避難者を「災害避難者」として認めないとの見解です。まして在宅避難者に対し、物資の配布は一切出来ない。家で自活が出来ないのなら避難所で暮らせ!との見解です。

自治体を通して寄せられた支援物資は避難所にいる避難民の為で、災害避難者でない方には一切渡すことは出来ない」と断られたそうです。寝たきりや歩行困難な高齢者はどうするのかと言う問いには、「混乱している状況の中で、個々の事例には対応出来ない」と断られました。

また、4月に入り急増した一般からの支援物資が多過ぎて管理しきれず、まず最前線行政センターへの直の支援物資の受付が中止(中断)されました。次に、市へ支援物資停止要請が出されている自治体も増え始め、すべての支援物資の流れが県・市・行政センターで強制的な指示の元、完全に止められています

在宅避難者の場所、人数、状態が把握出来ない行政が、まるで兵糧攻めをして避難所で暮らすように仕向けているようにも感じます。

最前線の在宅避難者の家には、物資は少なくなってきています。今までは不定期であっても自衛隊から物資配給があったのですが、部隊によっては縮小・撤退も起こりはじめ、前線の自衛隊の活動も徐々に減り始めています。唯一の補給源である自衛隊を失った時点で、在宅避難者は餓死してしまいます

災害対策本部なり災害本部長から、「一般人からの直接的な各公民館や自治会館への物資支援も受け取らないように」との指示が、自治会長や区長にも出されています。

推論ではありますが、今週末、義侠心から日本中の若者が物資を持って現地に入っています。多くの避難所に荷物を持って行って、断られてします。するとインターネット上には「現地では物資は足りている」「物資を持って行っても断られてしまう」という情報が流れてしまい、日本全国で起こり始めている救援物資の応募や配送の熱が一気にさめてしまい、本当に被災地、特に個人宅避難者の物資が足らなくなってしまいます。

僕も全国の人たちと連携をとり色々な手を付くし、避難所だけでなく個人宅避難者へも物資を届けて参りましたが、各々個人の力では限界があります。

この熱が冷めてしまえば、絶対的な支援物資が足らなくなるのは明白で、必ずや餓死もしくは栄養不足による肺炎等によって、多くの二次被害者が出てしまいます。ここに至ると「人災」と言うレベルになってきております。

ここは大きな力を集めて行政や議員さんに働きかけ、門戸を開き、支援物資を集め、ボランティア等を使い 住民票を作り直すような作業を行い、個人宅避難者にも物資が届くようにして頂きた と思うのです。

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もう一つ 問題があります。汚水の問題です。
当該地域は集落ごとの距離が離れており、リアス式海岸等の地形の問題も伴います。都心に比べ税収入も少ないので汚水も放流式ではなく 浄化槽(肥溜め)方式です。

通常、汚水処理場は海や川などの水に近いところにありますので、津波被害の最前線です。多くの汚水処理場がいまだ被災時のままです。その上バキュームカーも汚水処理場に駐車、停車しているケースが多いでしょうから、消失・故障して台数が足りなくなってしまっています。

個々の家屋に至っては、津波で汚水タンクに海水が混集しています。長期の停電(半島のほとんどは未だ復旧の見込みが見えません)により酸素ポンプも動いていませんし、ポンプ自身も一度海水に浸かっています。
避難所でも、従来よりも圧倒的な人数の使用者。個人宅避難所でも、いつもよりも大人数。すでにタンク等の機能は失われ、場所によっては汚水があふれ始めています。
台数の少ないバキュームカーは復興等のインフラ整備の為、泥の吸い上げに使われ、圧倒的に必要台数が少ないのが現地の現状です。

物資の配給不足の問題と共に、汚水処理は生き死に直結する部分の問題・・・、行政はほとんど何も対処出来ていません。
現在、汚水を分離・凝縮するようなテストをメーカーさんよりサンプルを貰い現地でテストしておりますが、テストが成功したとしても、それも単に時間稼ぎにすぎません。汚水についての法律、規制など詳しくはないのですが、汚水・汚物の県外への持ち出しに何かの規制があるのかも知れません。しかし、被災した都道府県内では到底処理の仕切れる量でも問題でもありませんので、各県等が連携し合いながら解決しなければならない問題だと思います。

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個人宅避難所の話の続きです。

石巻市の場合、各指定避難所に災害本部があります。例えば西浜小学校であったり新山市民生活センターなどです。各々に災害本部長がいて、その地区の災害対策をしています。

ここで災害本部長をしている方はその学校の教頭先生であったり、社会福祉協議会からの派遣であったり、市や行政センターから派遣された本来は別の部署の担当であったり、災害対策課であっても役職になかったりする、いわば「災害対策の素人」です。

この人たちが、県や市を通して送られてきたり、直接個人や企業からくる物資を統括しています。彼らの役割は担当している「指定避難所」だけを管理することで、その近隣にすむ津波被害は受けたけれど、かろうじて自宅の残っている在宅避難民の面倒を見ることではありません。

在宅避難民も自衛隊からの物資を貰っていましたが、量も頻度も一定せず不安定なため、食糧も乏しく種類も単一なのに耐えられなくなり、各区の区長さんを通して地域の災害本部長に「物資を分けてほしい」と申し出始めました。それが先週位まではうまく行き始めかけたのですが、各災害本部に全国の有志から大量の物資が流れ込み始めた時点 災害本部がパンクし、物資の受付をほとんど停止してしまったばかりか、個人宅や区長さんに対しても支援物資を受け取れないような指示や風潮を生み出してしまっています。

断水の続く牡鹿本島方面では道路状況も悪く、平常時であれば半島内全面通行止めになるほど道路状況は悪くなっています。今月に入り、見物観光客の往来も急増し、道路の負担が増えました。余震が続き、雨が降り、気温の上昇による地面の緩みも生まれますので、数日に一度どこかの道路が崩落したり崖崩れが発生しています。この状態で道路が寸断され経路を絶たれれば、必ず物資(特に食料と水)は困窮します。

まずは各地区の災害本部への支援物資の窓口を開くこと。
そしてそれを維持管理し、配布する人員を投入すること。
次にボランティアを使って個人宅の個別調査を徹底すること。
そして宅配便やバイク便、郵便もしくはボランティアを使って、支援物資をすべての半島民に配布すること。

以上をしないと、必ず行政の機能不全により、全く必要のない犠牲者が生まれてしまうのは間違いありません。半島内は立地条件も悪く、全国的な建設資材の不足により仮設住宅等の建設も一年以上先の話だと思います。

この避難所と個人宅避難所の関係は 一年以上続くのです。少なくとも半島内には500人近くの 指定されていない個人宅や小さな自治会館で暮らす避難民がいて、殆どの人が高齢なうえ収入もなく、既に現金もありません。車を流されたり壊れたり失っている人も少なくありませんし、お金があったとしても今のところ食べ物を売っているお店も島内には一切ありません。一番近いスーパーまで、アップダウンのきつい段差だらけの道を片道で8キロ以上歩かなければなりません。

激しい言い方になるかも知れませんが、この在宅被災者を見捨てることは自分も見捨てることになると思います。自分がその立場に陥った時に見捨てられることを覚悟しなければならないような国は、故郷 、祖国とは呼べないと思います。

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こちらは現地の仙台で、私の替りに行政と連絡を取ってくれている女性からのメールです。

物資の受付停止は県でも止めてしましました。もう物資が入りきれないみたいです。職員に聞きましたがかなりの物資の量とのことです。

あとは個人宅の避難の方々ですね・・先ほど牡鹿地区から近いガソリンスタンドを地図でUPしました。牡鹿地区にも県道2号沿いに1件あります。牡鹿の避難所には物資不足は極端にはないようです。私達の支援隊に確認して貰いました。

ただ、人手不足で物資の振り分けがうまくいってないようです。この問題は石巻ボランティアセンターへ掛け合いしまして検討するとの事です。また、宮城県で全国オートバイ協同組合連合会との連携がなされて散在する避難所や、自宅にいて孤立しがちな高齢者らに食料や医薬品を届けてます。こちらを何とか利用してもらえないかと掛け合いました。支援活動する方々は個々の考えで活動していいと思います。

これは行政の本音ですが、自宅被災者は避難民として考えてないという事です。行政が把握してる避難所への支援しか考えてません。キツイいい方になりますが、自宅で生活出来ないのなら避難所へ来てくれという考えです。

特に石巻は平成の大合併のせいもあって管轄の被害範囲も広い。他県の応援が来てますが、それでも裁ききれない。今週から復興への手続きが次々行われていて、もう支援どころじゃないですよね。

※ 支援物資の送付先

ハミングバードスポルテ  野澤 亨
〒238-0024 神奈川県横須賀市大矢部 3-14-10
TEL:046-804-1480
FAX:046-804-2442
hummingbirdsports@jcom.home.ne.jp

※ 必要としている物資のリストです。

果物 野菜
パスタ&パスタソース各種
ハムなどの肉類
日持ちする魚類
水 飲料水 ジュース
保存の利く食料
缶詰 レトルト食品 お菓子
ガソリン携行缶
ポリタンク(新品)
タバコ 発泡酒等お酒等嗜好品
米・パン類
ソース マヨネーズ ケチャップ等の調味料・香辛料
カイロ、ろうそく
新聞、雑誌、
乾電池
発電機 使用可能な自転車
カセットコンロ・ボンベ

コメント

  1. 亀吉 より:

    いつもそうだよね。ホント、この国の行政には腹が立つ。
    人の心が感じられない。誰だって分かるだろうに。

  2. yuris22 より:

    亀吉様

    昨日の参院予算委員会の中継には、テレビに向かって野次を飛ばしてしまいました。
    菅総理は「歴史が私を判断してくれる」って、どこまでナルシスト?国民を痛めつけ、保身しか考えていない疫病神です。

  3. 匿名希望 より:

    二度目のコメントになります。
    前回こちらの記事を拝見しまして物資をお送りさせて頂いたものです。
    記事のアップありがとうございます。
    現地の様子を知ることが出来て、とても嬉しいです。

    今回こちらの記事を拝見して、居ても立ってもおられず、ヘリコプターを飛ばすことは出来ないのか地元の新聞社様へ問い合わせを致しました。
    双葉町に本社を構えられている新聞社様も被災されていますからどういったご返答を頂けるか分かりませんし、期待するとがっかりしたりもしますから、やれることをやろうと思っておりますが、、、

    また現地の様子や野澤様の活動などお知らせ下さい。
    ご無理の無い範囲で、、、
    応援しております。
    よろしくお願い致します。

  4. まつもと より:

    足りない物資をリクエストできるサイトがありました
    ⇒ http://fumbaro.org/

  5. yuris22 より:

    匿名希望様

    お読み頂きありがとうございます。
    被災者の皆さんに他の被災者を助けて下さいとお願いするのは、本当に難しいことだと思っています。それでも誰かが気に留めて下されば希望はありますね。
    今後もよろしくお願いいたします。

  6. yuris22 より:

    まつもと様

    情報をありがとうございます。
    長期戦になりますので、できるだけ多くの支援者を集めたいと思っています。現地に足を運んでくれるボランティアも探さなくては・・。

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