間隔が短くなってきた大災害

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数時間前、南米チリでM8.8の強い地震が発生したとのニュース速報が入った。1月のハイチ地震の傷跡も癒えないというのに、天変地異が襲ってくる頻度は間隔が短くなっていないだろうか。

Newsweek3月3日号の記事「ハイチ地震の『行動経済学的』的教訓」によると、1970年以降に起きた自然災害を人的・物質的被害が大きかった順に並べると、上位20件の半数以上が2001年以降に発生しているという。天災が起きれば壊滅的被害を受ける地域に住んでいるのを知りながら、ろくに対策も練らないまま、ある日突然ズドーン!テレビで放映される惨状に目を覆いながらも、遠い国の出来事、対岸の火事と思ってしまう自分がどこかにいる。

1月12日にハイチ地震が起きた時、死者は数万人との報道があった。それが15万人になり、スマトラ沖地震を超える23万人になり、大統領の発表では30万人に達する可能性があるという。日本で人口30万人の都市と言えば、大津市、四日市市、久留米市など。そこで暮らす人々が全滅してしまったと考えたら、恐怖感は現実味を増すだろうが、自分の身に降りかからない限りはお尻が上がらない。

オレゴン大学心理学教授のポール・スロビック氏によれば、被災者の数が何十万人と聞いてもピンと来ない人間の心理を「精神的無感覚(psychic numbing)」というそうだ。支援を待つ大勢の人々よりも、たった一人の「○○ちゃんを救え!」募金に心が動いてしまう心理である。理性よりも感情が先に動いてしまう人間のさがは、いったい何処から来るのだろう。

死は毎日起こっている。病気で死ぬか、事故で死ぬか、老衰で死ぬか、必ず自分にも順番が回ってくる。リスクを考え始めれば、外に一歩出るのさえ死と隣あわせ。その瞬間をなるべく考えないようにすることで、私たちは無感覚の鎧を身に着けてしまったのだろう。

誰かが「まだ大丈夫だよ」といえば「そうだよね」と安心する。そんな楽観的予知は災害には通用しない。関東にもずっと大きな地震が来ていない今、理性の目を開いて防災対策をもう一度。失われる多くの命の中には、たった一人の自分も含まれることを忘れてはならない。

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