中途半端な気候のせいで、また風邪をひいたらしい。土曜日の朝から喉が痛くなり微熱が出て、原因としては凝った肩を出して寝たのが扁桃腺に来たみたいだ。こんな時のために処方して貰っているPL顆粒を飲むと、だるさと眠気に襲われて集中力が失せてしまう。どうにでもなれとベッドに転がると、待ってましたと与六が横に飛び乗ってきて、頭を撫でてくれの要求に応えつつ一緒に寝てしまうのがお決まりのパターンだ。
あ～あ、スッキリシャッキリしないなあ。体調に関わらずモヤモヤした気分を抱えているのは私だけじゃないだろう。抱えた悩みが解決しないうちに新たな悩みが増えて、そこにマスメディアからは原発の再稼働や集中豪雨や事故のニュース、与党が分裂するという政治不安まで襲ってきて、雲の晴れ間が見えてこないのである。
こんな鬱陶しい季節に思い出すのは、山本周五郎の「つゆのひぬま」という短編。かなり昔に吉永小百合が主人公をした単発ドラマで見た記憶がある。
深川で女郎をしている年増のおひろは、不幸な身の上話をでっちあげて金を稼ぐ。どんな惚れた男がいようと恋愛なんて露の干ぬ間。客と女郎の恋物語なんて朝顔が咲いている僅かひと時だと言うのが持論だ。その一方で同輩のおぶんは不器用なダメ男の良助に惚れていく。ある日のこと深川が氾濫して店の屋根に逃げた二人のところへ、大洪水の中を決死の良助が助けにやってくる。おひろは全財産をおぶんの懐に押し込み、恋愛を「つゆのひぬま」と言った過ちを認めて一人屋根に残る・・といった話だったと思う。
露の干ぬ間に雲の間から一瞬だけ現れた太陽。その後はまた豪雨が襲ってきて洪水に呑み込まれてしまうかもしれない。でも身体に血潮が流れているのを実感している限りは、一瞬だけの太陽を待ちわびて何度でも励みにしていかなくちゃね。天に授けられた命をキープしていれば、弱っている心は何歳になろうと修正できると思いたい。どれだけ経験を重ねようと、心は年老いちゃいけないのだ。
明日も面倒なことがいっぱいあるだろう。朝起きたらもっと喉が痛いかもしれない。でもいつかは「露の干ぬ間」が「幸の干ぬ間」になるように、太陽に向かう朝顔の前向きさを見習いたいなと自分を励ましている。
コメント
ゆり子さん。
こんばんは。セリカです。
私も風邪には困っています。昨年末から、珍しく
熱のある風邪をひき、病院で薬を処方してもらい治ったはずが、今年になって、風邪をひく、病院で薬を処方してもらう、なんとか完治するという悪循環が未だに続いています。私もPL顆粒をよく処方されるので飲みますが
確かに眠くなりますね。気をつけてくださいね。
山本周五郎の「つゆのひぬま」の短編は読んでいないので、情報を頂きましてありがとう。
時間があれば、読んでみたい作品ですね。私は「娼婦」にとても興味をもっていて、日本から海外の娼婦に関するフィクション、ノンフィクションに限らず、チェックしています。早速、この短編も調べてみます。
ありがとうございますね♪
>天に授けられた命をキープしていれば、弱っている心は何歳になろうと修正できると思いたい。どれだけ経験>を重ねようと、心は年老いちゃいけないのだ。
そうですよ! 私もそう思います。心はいつまでも若々しくありたいですよね。
本日もゆり子さんにとって幸せな日でありますように!
ゆり子さんを応援しているセリカです。
セリカ 拝
山本周五郎は大好きです。正雪記や虚空遍歴の様な長編も面白いし、深川安楽亭の様な短編も好きです。体調がすぐれない様ですが、σ(^ー^;)が気をつけている事。中村天風さんの教えですが、鼻呼吸です。口呼吸をやめてから風邪をひかなくなりました。いや、馬鹿は風邪ひかないんですけどねw
そのです。
またブログを読んでもらい泣きしてしまいました。はは。
わたしの表現では「お天道さん」となるのですが、
うまくゆかない多くの愚かさ弱さを越えて、お天道さんはわずかな出来ている何かを褒めてくれるようですね。
それに、ぐっすり眠ることは脳内のナンちゃらホルモン？が再調整。免疫の軍隊が全身にくまなく配置されて、細胞がよみがえるようになってるんですよ。
だから眠さには従っていいみたい。ふふふ。
明日のお日さまを味方につけて、いい夢が見られますように…。おやすみなさいませ。
お大事に…。
PL顆粒。私も風邪を引くと必ず病院で処方してもらいます。
最近は暑い日になってますが、急に肌寒い時もあるので体調管理が大変ですよね。
お大事にして下さい。
こまちゃん
運動するとき以外は鼻呼吸してると思うんですけどねえ。でも自分が気づかないだけで、寝てる時に大口を開けてるかも。与六に聞いてみよう。
その様
「お天道さん」、漢字にしてみるとパワーのある言葉ですね。子どものころ悪いことをすると「おてんとさんが見てるよ」って祖母に叱られた思い出があります。雨でも曇りでも空には必ず存在している神様なのですね。
marie様
やはり病院で処方してもらった薬は効き目がありますね。今回は早いうちから飲んだので、すっかり回復しました。
電車の中でも夏風邪をひいてる人が多いみたいです。人から移るというよりは、体調管理の問題かもしれません。