等身大に生きていくこと

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リストラを担当する冷酷な人事部長が、拾った子猫に癒されるドラマ「ネコナデ」。その第2話だったか、会社の帰りに胃薬を買いながら、窮屈な自分を表現するモノローグがある。

「きちんとした子供はやがて きちんとした青年になり きちんとした大人になる。きちんとしていることは きちんとしているふりなのか ふりであるから毎日胃が痛むのだろう」

一人っ子だった鬼塚汰朗は、大人の期待に応える子供として育ったのに対して、子猫のトラは人の迷惑など関係なしに天真爛漫。鬼塚は社会で自分自身を演出している無意味さに気付いていく。

私も与六を飼い始めて1ヶ月が経った。猫と一緒に生活すると、家の隅々までが改めて目に入る。飛び乗って欲しくない場所、爪とぎして欲しくない場所、かじって欲しくない物・・、そのいちいちに「コラ」「ダメ」を言っている自分が小さく思えてくる。大切なものは悪戯されない場所に隠せばいいし、障子を破かれたら張り替えればいい。もっと大らかに構えていなさいとペットから教えて貰っているかのようだ。

猫は飼い主に盲従しない。無理に抱き上げればもがいて逃げ、甘えたいときには向こうから擦り寄ってくる。人間と犬のような上下関係ではなく、対等につきあっていく横の関係なのだ。まっすぐこちらを見つめる目には、嘘も邪心も虚栄もないからドキドキする。

フランスの箴言作家ラ・ロシュフコーの言葉。
「虚栄は理性以上に、我々に我々の嗜好に反することをさせるのである」

自分の心に正直に、等身大に生きていって何の不都合があるのだろう。世の中を生きづらくさせているのは自分なのだと、猫を見ていてしみじみと思う。

昨日も与六はやんちゃの盛り。広げて干してある折り畳み傘で遊んで、骨から糸を食いちぎって壊してしまった。でも、いいよ。安い傘だもの、また買えばいいよ。取り返しがつかないことなんて、人生にそう沢山あるものではない。

与六と傘1
与六と傘2
与六と傘3

コメント

  1. 的は逗子の素浪人 より:

    >取り返しのつかないこと
    いっぱいあるような、ないような? 生きにくいなア。

  2. yuris22 より:

    的は逗子の素浪人様

    悩みの中間に立っているなら、しっかり生きているってことでしょう。死刑にでもならない限り、自分に対して最終的に決断を下すのは自分なのです。だから取り返しがつくと、私は思っています。

  3. marie より:

    「取り返しのつかないこと」「後悔していること」
    人間なら誰もがあるでしょうね。
    人は何か失敗をすると、「何で、あの時こうしなかったんだろう?」とか、「もっとこうすればよかった」とか・・・。後悔ばかりする事ってあると思います。
    けれども、失敗から学ぶ事も大きいですよね。
    それにしても、猫とか犬とかは人間程の悩みとかはないように見えます(笑)
    ホント、愛らしいですよね(^-^)

  4. yuris22 より:

    marie様

    さんざん後悔したあとに大切なものを取り返すため、命がけのジャンプをする人間がどれほどいるでしょう。それには震える勇気が要るし、今までの自分との決別が要るし、うなだれて踏み台から背を向ける人が殆どだと思います。
    何の因果か、プライドゆえに人間って面倒くさい生き物ですね。犬畜生とか言いますが、人間こそ可愛げのない畜生かもしれません。

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