9月病という怠け者くん対策

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やっと猛暑から解放された9月。エアコンを消して窓を開け放っても、南風のベタッとした不快感は無くなった。そして替わりに吹き始めるのは心の秋風である。今年もあと4か月を切り、独り身にハロウィーンやクリスマス、誕生日まで来てしまう。猫とパソコン相手に日が暮れてしまう隠遁生活はまだ早すぎるかなと焦燥感にさいなまれる。

しかしちょっと待て。恋をしていないから物寂しいのか、物寂しいから誰かに居てほしいのか、そもそも空しさを解消する手段が他にあるんじゃないか、頭の中がエッシャーの螺旋階段みたいに行き場がなく回る。早くしなきゃ間に合わないぞ!って、どこに向かっているんだろう。

秋は不定愁訴の季節だ。最近では5月病に加えて9月病が増えてきたらしい。だるさや抑うつ、不眠、不安、無気力感、特に焦燥感というモヤモヤの原因はどこにあるのか、私の含め大抵の人は見て見ぬふりをしているように思う。人に指摘されなくてもいちばん分かっているのは自分。子どもの頃テレビを見ていたら「早く宿題やりなさい!」と親にせっつかれた時の「今からやろうと思ったのに・・」の不快感と一緒だ。

ぶつけどころのない怒りが増していくとき、真っ先にやるべきはその場しのぎでない快感を探すこと。夏の間に定着してしまったダラダラ意識に気付き、「ま、いいか」の怠け者くんは自分に対して不快な存在であると認める。

では不快を遠ざけるために何をすれば良いのか、「早起きして時間を培にする」「運動して綺麗に痩せる」「恋人を作って楽しいクリスマスを過ごす」「仕事で成果を挙げて周りに褒めてもらう」といった目標を何かひとつでも設定して実行あるのみ。頭で悶々と考えずに行動に移し、それが達成された快感を味わうのである。オーソドックスな方法ではあるが、目標を太いマジックで紙に書き、目につく場所に貼っておく自己暗示も良い。

やればできる自分は向こう岸に必ずいる。こちら岸からエイヤッと飛び移るアクションだけで初期設定の快感を得て、過去から未来へと変容する。今日は自分に対して心理カウンセリングしながら外出の準備。秋とは言わず、もうひと花咲かせましょうかと、鏡の向こうの私に声をかけた。

「花びらにゆるき力の芙蓉かな」(下田実花)

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コメント

  1. 的は逗子の素浪人 より:

    痩せて、恋人を作って、クリスマスの喧騒の中、二人で静かに未来を語る。

  2. yuris22 より:

    的は逗子の素浪人様

    全部実現したら快感のあまり鼻血が出るのでは・・?「二人で静かに未来を語る」ってのがいいですね。

  3. 的は逗子の素浪人 より:

    ミルクふいたあ、なきながらわらう!

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