楽しんで仕事していますか?

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会員向けWEBシステム構築のプログラミングをしながら、途方に暮れることがある。セキュリティを強化する対策をいくら考えても、全く無駄なことを思い知らされるからだ。ネット検索すると、手紙でしか知らせていないIDとパスワードがバレバレ。なぜなら会員の方々がログイン方法をご自分のホームページやブログに掲載しているからである。

日本に一般向けインターネットサービスが導入された1990年代。新し物好きな私はさっそくホームページの作り方を研究し、センスの欠片もないページを企業に売り込んだ。WEB制作(当時はWEBなんて言わなかったな・・)や画像加工などのマニュアル本は殆ど手に入らず、今のようにネット検索できるわけでなく、試行錯誤でキーボードを叩いてディスプレイと夜を共にしたものである。

本業は作詞家であり、放送作家としても何本か番組を抱え、WEB制作なんていう趣味に没頭している場合ではなかった。しかしHTMLのタグが瞬時にブラウザに反映されることが面白すぎて、寝なくてもいい!とゲームのように深みに嵌っていく。

初めて作品を買ってくれたクライアントを通じて、F通からWEB制作の講師の依頼が来たのは、なんとパソコンに触ってから1か月後。非常勤の外部講師として通いながらやがて高給取りとなり、新幹線や飛行機で講習会場を渡り歩き、その間に幾つかのプログラミング言語を習得し、講習用の教則本を書くまでに至った。ファイル名の拡張子すら知らなかったのに、没頭に没頭を重ねた末、そらで言語をテキストエディタに書き連ねることができるのは人生の集大成だ。

しかし近ごろ困ったことがある。FacebookやTwitter、LINEなどSNSに関してはとても疎い。システムの構築法は想像がついても、マニュアルを読むのが面倒くさいので当てずっぽうで動かす。セキュリティ的に危ないものは勘で分かるが、私よりもアプリ用語を知っている友人たちには敵わない。どんどん時代遅れになっていくのである。

例えばFacebookの「誕生日」(マイカレンダー)や「ディフシオン」アプリ。データを抜き取って、登録されている知人たちにアプリへの招待を呼びかける。スパムとは断言できないけれど、本人が知らないうちにメールを送りまくるのは何らかの利益を狙う魂胆があるのだろう。私も1回インストールして「やばい!」と気付いてから、アンインストールするまでの手順はアンフェアとしか思えなかった。それを知らずに招待をくれる友人に危険性を教えたいけれど、「想定してますよ。邪魔しないで」と言われたら恥ずかしいので黙っている。

app
ここまで湧き立ってしまったSNSの世界で、楽しんでいる方々に水をさしたくない。入手したIDとパスワードを悪気もなくネットで流す方々に「それは法律違反だ」とは言いづらい。入るべからずの芝生の上で、大いに盛り上がっている宴会を指をくわえて眺めている堅物。2段階認証方式やワンタイムパスワードなどガードを固めるシステムを構築しながら、昔みたいに楽しんで仕事をしていないことに気付く。

そろそろ方向転換の時期が来たのかな。喰えなくても純粋に夢を追っていた物書き人生に戻ろうかと思案中である。

コメント

  1. 的は逗子の素浪人 より:

    IDとパスワードの管理は基本的なお作法ですよね。
    でも「クラウド」と聞いたときに、『雲上にデータがあるなんて「機密管理は?」』との疑問がいっぱいでした。特に他人様のデータをもっていくというのはね、疑問ですよね。1bitづつパチパチとデータ入力していた私には想像が付きません。
    現状は、「鼬ごっこ」ですね。

  2. yuris22 より:

    的は逗子の素浪人様

    クラウドについては私も信用していません。IDもパスワードも電波に乗って空中を飛び交ってるわけですから、網を張っている誰かに盗まれる。機密事項は紙に書いて金庫にしまっておくのが一番だと思います。

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