屋久島、種子島での漁業といえばトビウオ漁。両島を結ぶ水中翼船の名前も「トッピー(トビウオの俗称)」だ。
屋久島の旅・最終日は、安房港発07時の便で、種子島の西表港へと向かった。
レンタカーをゲットしたら目指すは種子島宇宙センター。
その前に「運が良ければ干潮で、見ることができますよ」と言われた洞窟、浜田海岸にある「千座の岩屋(ちくらのいわや)」へ立ち寄る。
太平洋の荒波が造った海触洞窟。千人も座れるほど広いという意味で名前がついた。
小岩がゴロゴロ落下している入り口を慌てて潜ると、ラッキーなことに干潮である。
薄暗い、神秘的な空間。海と繋がるアーチがパーッと明るくなると、ザーッと音を立てて波が足元までやってくる。
その光と影、静と動のリフレインに、どうしてだろう、涙がとめどなく溢れてきた。
言葉にならない誰かの悲しい想いが、心に充満して遣り切れなくなってくるのだ。
そっと手をあわせて外へ出た。
車はどんどん南に下り、お目当ての種子島宇宙センターに到着。が!、なんと休館日。
発射台が見える場所に停車して、お弁当を頂くこととする。
あいにくの天候だけれど、車から降りると雨が上がるの繰り返し。エメラルドブルーのビーチも、鉄砲伝来の地・門倉岬も傘なしで歩くことが出来た。
「偶然が重なりすぎると偶然じゃなくなる」。同乗者の意見にフムフムと頷く。
そして今回のベストショットは宝満神社で撮った下の写真。
さすが宇宙センターの近く、無重力発見! どうです、木の枝が浮いていませんか?
屋久島で待っている仲間を驚かそうと、笑いをこらえてシャッターを押した。
追記:
帰りのトッピーに乗る前に、鉄砲館(種子島総合開発センター)でトビウオ漁の歴史を見学。埃っぽい資料室には人影が少なく、なんだか島全体の活気もダウンしているように感じる。
屋久島で聞いた情報によると、地球温暖化の影響で海流が変わり、トビウオが獲れなくなってきているという。漁業もダメ、林業もダメで、島民たちの生活を支えるものは観光業だけになってしまうのだろうか。
それなら尚いっそう、観光の主役である自然を保護する手立てを急がなくては、環境破壊のスピードに負けてしまいそうだ。
植物や動物の歴史に比べたら、なんと短い人間の歴史。
長年に渡り「命」を頂いてきたことに、「知恵」をもって恩返しをする時期が来ている。
コメント
>「知恵」をもって恩返しをする時期が来ている。
仰る通りですね、特に日本人は現在自然から多くを搾取しいると思います。
もう身の丈にあった生活に戻る潮時と感じます。
12月6日 私は筑波のJAXAで実物H2の姿を一瞬見ました。
髪結いの亭主様
自然を犠牲にして経済大国となったニッポン。
しかし最近の経済効果は下降の一方だと、世界から見捨てられそうな記事が出ていました。
筑波には行ったことがありませんが、ロケット技術が前途多難なことは知っています。
八方塞り・・。
言葉通りの「島国」に戻りそうなのが不安です。
仕事がら何度か種子島に行きましたが独特の「停滞感」をやはり感じました。沖縄のめんそーれのようなマインドも弱くなにかゆるーく生きているところに補助金で作られた無駄な道路だけがサトウキビ畑を切り裂いている感がありました。島の歴史事情もあるのでしょうね。
Ebisuのおっさん様
周りに何ももない、サトウキビ畑のど真ん中に、ジュースの自動販売機がポツンとありました。
一年に何本売れるんだろう?電気代で赤字だろうな。
そんなことを気にするのは、観光客だけなのかもしれませんね。
ゆるーく生きてることが、羨ましくもあります。