社会保険庁から「ねんきんとくべつ便」という緑の封書が、父宛てに届いた。
本人は介護施設で寝たきりで確認できる状態にないため、代わりに私が加入記録をチェックすると、ごっそりと8年分も抜け落ちている。
厚生年金の記録はあるが、個人事業を営んで国民年金を払っていた頃の記録がゼロになっているのだ。古びた確定申告書の綴りを調べると、社会保険料控除の欄に支払保険料の金額がきちんと記入されている。
年金加入記録回答票に必要事項を書き入れて、横須賀社会保険事務所を訪ねた。
「ねんきんとくべつ便」コーナーと記された部屋に入ってびっくり。私の前に22人も待っている。耳の遠い老人も多くて1人につき最低10分はかかるのに、係員の数は5名しかいない。
話を聞いていると、どこからも同じような台詞。
「これは有り得ないですよね。申し訳ありません。でも領収書がないことには・・」
「調査に6ヶ月かかりますが、お知らせは必ず届きます」
早口でまくしたてられ、頭を傾げながら帰っていく老人。あの係員には当たりたくないと思っていたら私の名が呼ばれた。
一通りの説明をすると、持参した確定申告書には目も通さず「調査に6ヶ月・・」が始まった。
どうして6ヶ月もかかるのか尋ねると、年金記録確認第三者委員会に諮って対応を決め、調査が必要と認められれば、その後に申告書なり何らかの証拠を提出してもらうという。
「証拠はここにあるのにコピーもとらず、6ヶ月後にまた持って来いというんですか?」と突っ込めば、「年金記録確認第三者委員会の有識者が決めたことですので・・」と責任転嫁。二言目には「有識者」が登場する。
しかも確定申告書は税務署に提出する書類で、社会保険庁には関係ないと言い放った。
「つまりは横の連携が取れてないってことですね?」
「そうお取りになるのは自由です」
さらにまたカチンと来る一言。父が65歳になった時、どうして国民年金の加入記録を調べなかったのか、何か理由があるんじゃないかと、娘には知るよしもない質問をしてきた。
「父が確定申告書に、虚偽の社会保険料を書き込んだとでも?」
「いえそういうわけじゃ。まずこちらの記録を調べてみないことには・・」
「記録に載っていなかったら?」
「有識者の意見を聞いてみないと・・」
話は堂々巡りだ。
6ヶ月後の通知を待つしかないと諦め、コインパーキングに戻ると料金は2時間分。
我ながら人の良すぎる国民だなと清算機に紙幣を入れる。
改革もへったくれもない社会保険庁。
録音テープ以下の対応しか出来ない係員なら、最初から「有識者」を窓口に座らせたらどうですか?
コメント
まったくタコですね、役人(のほとんど)は。こんな機械以下の対応しかできない人への給料が出ているかと思うと、税金を払いたくなくなります。政治家もそう。
競争のない環境、クビにならず、責任も取らされない環境で、国民のために一生懸命仕事をするわけはないのですが・・・。
薬害で当時の厚生省課長が有罪になっていますが、こうしたちゃんと最後まで責任を追求する仕組みがないといけませんね。
実は以前から気になっていたので、たまたま本日親父の「とくべつ便」を見ると・・・なんと7年分が無い!
親父は「この時期に勤めていた(具体的に)、近いうちに行く」と言っていたが、一緒にいってVTRとってやろうか!
ほんま税金の件は頭にくる!
厚労省の高級官僚と社保庁の現職及び退職者全員(生死に関わらず)の年金と退職金を全額召し上げる法律を作った方がいい(極論か?)。
こんにちは。
読んでいてyurisさんのその時の状況がありありと浮かんできてしまい、怒りで爆発しそうになりました。
わが国はこの先どうなるのか?
やはり、国民一人一人がしっかりと世の動きに注目して、声をあげていくしかないでしょうね。
たけぞう様
これが国の機関でなくて企業だったら、とっくに潰れているでしょう。
過去に遡って記録を調べるなら、ミスをした人物も遡って探すべきです。
どんなタコか、見てみたい。
素浪人様
録音しておけば良かったと、後で思いましたよ。
係員の名前も記録しておくべきだったと。
まずは言葉の使い方から再教育すべきです。
お父様には、絶対に付いて行ってあげてください。
波に乗るさかな様
彼らは自分たちも国民であることを忘れているのでしょうか。
上から目線で物を言うことに快感を持っているのは?と思いました。
通りすがりの者です。
私の知り合いは現役の社保庁の職員です。
①30年前一緒に旅行しましたが私は有給、彼女は出張旅費でした。勿論単なる観光旅行でしたが。
②当時はまだコンピューター無かったんですが、彼女は知り合いの給料を社会保険の書類で見ていて、誰さんの給料は幾らと言ってました。私にも「給料安いね~」と言いました。
③20年前社会保険事務所に行った際彼女は居ましたが、机の上には紙一枚無くただじっと座っているだけでした。後をバイトとおぼしき若い女性達が忙しそうに歩きまわっていました。
公務員として真面目に働いている人も多いんでしょうが、彼女を見ていますと、職務より公務員という身分を最大限利用しているとしか思えません。数年後には膨大な退職金を手に入れる事でしょう。
社保庁解体なんて出来るのかと驚きましたが、上記を見てきた身からしたら胸のすく思いがします。
頑張ってくださいね。
葉桜様
励ましをありがとうございます。
それにしても驚きました。
公務員になった者勝ちなのですね。
彼らの傍若無人ぶりをチェックするシステムはないのでしょうか。
一刻も早く解体してもらいたいです。
ただし責任をきちんと取らせてからじゃないと許さない。