男と女がすれ違う理由

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国連のデータによると、恋愛は3年で終わることが多く、結婚は4年目がピークという。NHKスペシャル「シリーズ女と男 最新科学が読み解く性」の第1回「惹かれあう二人 すれ違う二人」は、恋に落ちた男女がどうして不仲になるのかを科学的に教えてくれる番組だった。

そもそも男女はなぜ恋に落ちるのか。恋愛とは人間が「子育て」をするために発達したシステムだというのだ。
男は元気な赤ちゃんを生めそうな女(ウェストとヒップの比率が7:10)を求め、女は子育ての間きちんと協力してくれるパートナーを求める。赤ちゃんの成長が一段落するまでの3年で恋愛システムは役割を終え、4年ごとに赤ちゃんを産むのが狩猟社会の基本なのだ。

かくして恋は長続きせず、やがて始まる男女の不和。ワシントン州立大学の離婚防止カウンセリングプログラムによると、すれ違いの最大の理由は会話のパターンにあるらしい。

口論を始めた夫婦の心拍数を計ると、夫は平常時の70から100へとアップするのに対し、妻は70をキープしたまま。狩りが担当の男はちょっとしたきっかけで攻撃態勢に入り、心拍数が限界に達すると「もうやめよう」「うるさい」と話を一方的に断ち切る。
一方、子育て担当の女はホルモンの働きによって気持ちを落ち着かせる能力が高いので、心拍数は変わらない。

しかも男は女の気持ちを読み違え、つい外したことを言ってしまう。家を守る女は井戸端会議で気持ちを伝え合うのが日課なのに対し、男は刻々と変わる戦闘の中で問題解決しか頭にないからだ。男は女の脳を2倍使っても、気持ちや感情が読み取れないという。
妻はその日あった出来事を話したいだけなのに、夫は相手を分析したり非難したりで、ストレートに気持ちを聞いてあげない。結果、妻は絶望的な気分になり離婚へと進んでいく。

アメリカでは二組に一組が離婚する時代。
その典型とも思える夫婦に、番組の最後でカウンセラーが究極の質問を投げかけた。
「あなたの夢は何ですか?人生で成し遂げたいことは何ですか?」
妻の夢は、子育てを終え二人で温かな老後を送ること。夫も文句なしに同意する。そこにいるのは恋人同士ではないが、人生を共に過ごすパートナーシップという新しい絆だ。

ちなみに日本では、2007年に明治安田生命が行った夫婦に関する調査によると、「夫婦円満のために自分がしていること」の第一位は「話をよく聞く」、第二位は「感謝の気持ちを忘れない」だという。

コミュニケーションとは喋るだけにあらず。どうか男性の皆さん、「うんうん」と頷きながら我慢強く聞いてあげることも、愛情表現のコミュニケーションなのだと判ってほしい。

コメント

  1. marie より:

    なるほどねぇ、なかなか良い話を読ませて頂きました。
    確かに、男と女では、体の構造が違うように、脳の作りも違うから、すれ違いが起きるんですよね。
    感謝の気持ちは大事だと思います。
    夫婦の不仲をつい、相手のせいばかりにしている男女が多い世の中かもしれませんが、よ~く考えてみると、相手だけに非があるのでない事に気付くと思います。
    他人や相手を少し思いやる気持ちを持てば、誰でも出来るはずです。そう考える事でおのずと、お互いに話を聞く、理解をする努力をすることに結びつくのではないでしょうか?
    つい、二年前までは、私は上手くいかないことを夫ばかりのせいにしていました。けれど、違ってたんです。
    私にも非があり、それで夫を怒らせたり、男の人を怒らせる原因だと気付きました。
    そして、離婚してもいいと考えてたのに、夫が居ないと生活が出来ないとか、様々なことに気付きました。
    話す、考えるって大事ですね。
    今では、かけがえのない存在です。

  2. yuris22 より:

    marie様

    すぐに口げんかに発展する夫婦とは、相手を批判することから始まり、もう片方は防御に回ります。そこに追い討ちをかけるように第三者を持ち出して「わかってないのは君だけだ」と見下すパターンが多いそうです。
    歩み寄りがなければ、お互いを避けるようになってしまうだけ。marieさんが仰るように自分の非は潔く認めて、相手を思いやる気持ちが必要なのでしょうね。私もいい勉強になりました。

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